「…あんたなの、このふざけた手紙よこしたの」
私は目の前の男に向かって白い封筒を投げる。
理科室の机をすぅと滑って男の前に止まった。
「全く…お前みたいなやつが差出人だってわかってたら来なかったのに…。一応聞いてやるけど、なんの用なの?告白とかなら間に合ってんだけど」
「………」
うつむいたままの男子生徒。
…ん、こいつよくみたら同じクラスのフトマロじゃねえか。
相撲部があれば絶対入っていそうな体型をしており、顔が麻呂に似てないか?と言われ笑われていたのがきっかけで、影で…いや、おおっぴらにフトマロと呼ばれている。
「黙ってて何?気持ち悪いわね。帰るわよ」
私は彼に背を向け立ち去ろうとした。
扉に手をかけ、開けようとしたときー。
「か、はっ…」
フトマロが気配を消して背後に忍び寄っていたのだった。
気がつくのが遅れた私は、フトマロの手が私の首にかけられるのに対して反応することができなかった。
「な、なにっするんだよ!」
振り返りながら、フトマロの腕を払った…つもりだった。
だが、その意識とは裏腹に私は扉に手をかけたまま、フトマロに首を掴まれたままだった。
「…え、なに…?」
まるでフトマロが掴んでいる首から下が存在していないような、そんな間隔。バランス間隔を失い倒れてしまいそうになるが、身体は私の意思を離れてなお、直立したままだった。
「ぐ、ぐふふ…」
ぱっと手を離すフトマロ。
だが、私の身体は扉に向かったままでピクリとも動かない。
「…こっちを向け」
太い低い声でフトマロが命令してくる。
(何いってんだ、こいつは…)
だが、その直後、私は手を扉から離し、くるりと回れ右をしてフトマロのほうへ向き直ったのだった。
「へ…?」
混乱している私。
私の意思を受け付けず、フトマロの言うことを実行してしまっている私の身体。
「な、何をしたんだよ…フトマロ…」
「けっへっへ…気をつけっ!」
体育の準備運動の号令。
普段聞かないフトマロの大きな声にびっくりする。
ピシッ…!
私の手はぴしっと、太ももに張り付くかのように伸ばされた。
背筋はまっすぐと伸ばされ、目の前のフトマロへその姿勢を見せつける。
「ぐふふ…これだよこれ」
鏡に写った私の首に付けられているのは…銀色の首輪。
装飾もなにもないシンプルな首輪がピッタリと私の首周りを覆っている。
「これ…がまさか」
「君の頭からの命令をすべてカットして、ボクの命令を聞くようになる魔法のような首輪さ」
「なっ…そんなものがあるわけ…」
「ぐふふ、現に君の身体はいま動かないだろ?クラス1…いや、学校でも有数の魅力的な身体を自由にできるなんて、ぐふふ」
私はこの場から逃げ出そうと足に力を込める…が、その指令は実行されることなく、私の身体は気をつけの姿勢のままだ。
「フトマロ…こんなことして、どうなるかわかってんの…。先生に言いつけて退学になりたいわけ?」
「ぷっ…言いつける、だって。君にはそんな自由はないのに」
「ふん、どういう技術か知らないけど首から上は私の自由よ…。先生を見つけたらすぐにチクってやるんだから…」
「ぐふふ、うるさいなあ。ほら、ちょっとラジオ体操でもしてなよ」
「え?あ、ちょ…ちょっと…!」
私の身体は気をつけの姿勢を解除すると手や足を動かし始める。
「あはは。なんだい、急に体操しだして…。そんな短いスカートでそんなふうに動いたら…まるでボクに見せつけているみたいなじゃないか」
「こ、これはっ…あんたがっ…」
ぴょん、ぴょんとジャンプをする私。
短いスカートが重力と慣性の間でめくれ上がる。
胸も同じようにぶるぶると上下に揺れる。
「いやあ、やっぱり大きな胸だね。さすがだよ」
「はぁ…はぁ…」
全力でラジオ体操を続ける私の身体は酸素を欲しているのか、私の呼吸が荒くなる。
第2を始めようとした所でフトマロが
「もういいよ、…えーとY字バランス、できる?」
「はぁ…はぁ…え…?」
息も絶え絶えな私の身体は体操を辞めたかと思うと
私の脚はぐっと頭の横まであげられ、右手でその脚を支える。
「ぐふふ、さすが体操部。身体が柔軟だねえ。ところで下着が見えてるよ、隠さないのかい?」
「こ…殺してやる…っ」
「ぐふっ。そんな怒りに満ちた顔で滑稽な格好をしてるギャップがたまらないよ」
「…私をどうするつもりだ」
このまま解放…ということはないだろう。
もし私がフトマロの立場で考えるまでもなく、フトマロにメリットがない。
「ぐふふ、そうだなあ。まあそれは追々説明してあげるけど、とりあえずはボクを楽しませてよ」
「は…?」
「ぐふふ、そうだなあ。まあそれは追々説明してあげるけど、とりあえずはボクを楽しませてよ」
フトマロはニヤリと醜い笑みを浮かべる。
「扉の鍵をかけてこっちへ来い」
どれだけ力を込めてもう動かなかった身体は、フトマロの言葉を待ってましたとばかりに聞いて、高く天井に向けた脚をすっと下ろす。
そして助けが来てくれるかもしれない扉に自ら鍵をかけてしまう。
「ぐふふ、鍵をかけちゃうなんて、二人きりになりたかったのかな?」
「なにがっ。これはお前が…」
「嫌なら出てってもいいのにね、ぐふふ」
「くっ」
扉に再び背を向けた私の身体はまたピタリと動かなくなってしまった。フトマロの言うことだけを聞く、ロボットになってしまったかのようだ。
「よいしょっと」
フトマロはどすん、とその巨体を休めるために椅子に座った。ミシリ、と軋む音が聞こえる。
トントン、と軽く膝を叩く。
まるで父親が幼い子供においで、と呼ぶような行為。
「い、いやっ」
言葉でどれだけ拒否しようと身体は首輪から出る指令に従ってしまう。
足がついっと淀みなく前へ、フトマロの方へと進んで行く。
太い丸太のような足に、遊具にでもまたがるような格好で乗ってしまう。
スカートの裾を挟むようなこともしなかったため、フトマロの学生ズボンに直接自身の下着を押し付けるような、普段であれば絶対しない態勢だ。
「ぐふふ、大胆だねぇ」
「いや…動いてよ、私の身体…!」
ポロポロと涙があふれる。
身体は、まるで恋人にするかのように、フトマロに抱きつく。押し付ける。
ボディラインを感じてくれと言わんばかりの密着具合だ。
ただ、その身体から届く贅肉にまみれたフトマロの感触は、私の脳では嫌悪感しか感じない。
うっすらと湿った匂いのするフトマロに、自身の匂いを擦り付けるような動物的な行為を続ける。
ぐにゅっと自分のその乳房が、フトマロと身体の間で挟まれ、形を変える。
スリスリ、と太ももに乗った私の腰が前後に揺れ動く。
顔だけが、ガチガチと歯を震わせ屈辱と絶望にまみれた表情をしているのだった。
「ぐふふっ、気持ちいいよお。君もそう思うだろ?」
「誰がっ。死ねっ!絶対、絶対ゆるさな…ぐっ」
私の暴言は、首の圧迫感に遮られた。
呼吸が苦しくなり、目がチカチカする。
「……?」
フトマロの両手は私のウェストに回され、抱きつくような格好で、私の首を締めることなんてできない。
わけもわからず目線を下に下ろす。
「……?」
私の手だった。
私の右手が、私の首を圧迫しているのだ。
さらに左手は口を上から押さえつけていた。
「ぐふ、あまりうるさくしちゃうと黙らせちゃうぞ」
呼吸ができない。
私は朦朧としだした意識の中で必死に首を縦にふる。それがフトマロに通じたのか、私の両手はスッと離れた。
(そんな、自分の首を締めさせるなんて)
「さーて、そろそろ帰らないとね」
フトマロが立ち上がる。
それでもなお私の身体はフトマロから離れまいと密着し続ける。
まるでサカリのついた動物のように。
「帰る…?」
フトマロに密着したままの私は、彼の言葉で安堵する。
どうやら家に帰るようだ。必然私も解放されるはず…そう思った。
「ぐふふ、じゃあ離れて」
すぐにでも離れたい意識とは反対に、名残惜しそうに離れる身体。
「…早く、これを外しなさいよ」
「あ?誰が外すっていったよ」
「え…だって、帰るんでしょ」
「ぐふふ、そうだよ。君も一緒に、ね」
ゾッとするような物言い。
私がもった希望はロウソクの火のようにたやすくかき消された。
「ぐふふ、ボクのコートを貸してあげるよ。これを着るんだ」
「うっ…ぐっ…」
掴みたくない、触りたくない。
だが身体はしずしずとフトマロの大きなコートを受け取る。
留められていたボタンを外し、それを羽織ろうとして…。
「おい、まて。脱いでから、着るんだ」
「へ…何を言って…い、いや、ま、まってまって!」
私の脳が理解するよりも早く、私の身体は来ていたセーラー服をポイ、っと脱ぎ捨てる。続けてスカートもホックを外しファスナーを下ろすと、重力に惹かれてパサッと落とす。
その下に来ていたシャツも、そして下着も。
あっという間に私はフトマロの目の前で素っ裸になってしまった。
そして素肌の上から直にそのコートを着る。
フトマロの大きな体型のコートなおかげで、膝あたりまで隠れているが…。
(こ、こんなのまるで痴女じゃない…)
コートの1枚下はすでに肌なのだ。
恥ずかしくてしゃがみこみたいが、身体はフトマロの指示を待つ。
「つぎは…ぐふふ、これ」
「…なによそれ…」
大きな穴があいたボールに、ゴムのような紐がついている。
紐には長さが調整可能なアジャスタがついている。
私には何に使うかわからないものだが、首輪が操作する身体にはそれがなにか、わかっているようだった。
フトマロから受け取ったソレを…。
「ふむぐっ…!?」
無理やり私の口にそのボールを押し込んできた。
抵抗しようにも私が動かせるのは顔のパーツだけ。
舌でそのボールを押し出そうとするも、時すでに遅く、後頭部に回された紐が締められるとボールはびくともしなくなる。
口の中いっぱいに入り込んだボールは私から言葉という自由を奪う。
「んぐっ…むぐっ…」
「ぐふふ、帰る途中に叫ばれても困るからね」
ふとまろはポケットから白い何かを取り出した。
…普通のマスクだった。男の人向けの大きいサイズの。
ボールを咥えたままの私の口が、白いマスクで覆われている。
これでは誰が見ても、その下がそんなことになっているとは思いもしないだろう。
最後に大きめの遮光性の高いサングラスを渡され、それが私の耳にかけられる。視界はサングラス越しでしか見えなくなり、目の前が暗くなる。
「ぐふふ、視線で訴えられても困るからね」
「むぐぅ…」
フトマロは私の脱ぎ捨てた制服を、私のかばんの中に詰め込み、そのかばんを押し付けてくる。
身体はそのかばんを受け取るとくるり、とフトマロから背を向けた。
「じゃあなるべく人目につかないように、"ボクの家"に来るんだよ.
これからは一緒に住むんだから」
(う…うそでしょ)
学校の、普段は誰も使わない裏の門から出ると、小さな道を選ぶように歩いていく。
私が道を選んでいるわけでも、そこを歩こうと思っているわけでもない。
首輪が勝手に私の身体を動かしているだけだ。
身体についている私の首はただの付属物のように、その身体についていくしかない。
口の中には物が詰め込まれ、わずかにすれ違う人へ、助けを一切求めることもできない。マスクとサングラスで覆われた顔は表情も視線もシャットアウトしてしまっている。
身体に不釣り合いな大きなコートを来た女性、ということはわかってもらえるがそこまでだ。
(信号や大通りを避けるようにしてる…?)
そのような場所には必要最低限にしか寄らないようにしているのか。
まるで迷路のように道を縫って歩いていく身体。
自分の今いる位置がわからなくなってしまわないように、大きな建物に意識を配る。
もし自由になったときに素早く逃げるために。
かれこれ20-30分はあるき続けただろうか。
目の前の家の裏扉を開け、上がり込む。
誰かに見られていたら空き巣のようだ、と思われても仕方がない。
人の気配がしない家の中を、まるで知っているかのように歩く。
迷いもせず階段を登り、一番奥にある部屋の扉を開けた。
「ぐふふ、ようやく帰ってきたね」
「むぐ…」
やはり、というかその部屋にはフトマロがいた。
頑丈そうなデスクチェアにふんぞり返るように座っている。
「どうしてあんなに歩かされたか教えてほしいか?」
「………」
意思伝達の手段を奪われている私はその問いに答えることはない。
いや、もし奪われていなくても、目の前の男と会話などする気はない。
「女子学生、行方不明。その日の放課後以降足取りつかめず…。明日の見出しはこうかなあ?」
(………!)
「警察は監視カメラや目撃情報を探すだろう。学校の女子制服を来た生徒を見かけませんでしたか?誰かと歩いていませんでしたか?って」
私はすべてを察した。
こんな格好をさせたのも、人通りのない道を選んで帰らせたのもすべては…。
「まさか本人が勝手にコートを着て顔を隠して、人目につかないように歩いていた、なんて思いもしないだろうな」
そう、私は自分で自分を誘拐したのだ。
「ぐふふ…この家には僕以外には住んでいない。両親は海外赴任でね…帰ってくるのは数年に1度。安心してくつろいでくれ」
(誰が…!)
「おっと、そうだったな。コートの下は裸だったな。…ぐふふ。じゃあ早速この服に着替えるんだ。サングラスとマスクも外していいぞ」
さっきから逃げ出そうとしていた私の意思を無視し続けていた身体は、フトマロの命令を待っていました、とばかりに勝手に動き出す。
フトマロからたたまれた服を受け取り、それを目の前に広げる。
(って…なによこれ)
黒の生地の上に白いフリルやエプロンがつけられた、本来の実用性を考えていない職業服。
それは、テレビのオタク特集でよく見かける服…というよりはコスチュームだ。
「ぐふふ、今日から君は僕のメイドさん…兼お人形さんだよ」
あれから私はフトマロの家から出ることはなくなった。
日課はこうだ。
朝、身体が勝手に動いていることで目を覚ます。
私の意識は寝ていたというのに、身体は勝手に起き上がりキッチンの前に立っていたのだ。目の前にはトーストとコーヒーそして沢山のデザート。
首輪が動かしている、と理解しつつもまるで夢遊病のように勝手に作業をしていた自分が怖くなる。
大声を出そうにも口にはボールが詰められており、私ができるのはそこからよだれを垂らすことだけだ。
朝食の用意をし終えた後、フトマロの部屋まで歩いていく。
わざとらしく寝たふりをしているフトマロを抱き枕のようにして抱きつく私の身体。
彼から男臭い寝起きの汗の臭いが鼻を襲うが、もちろん私の手は鼻を覆ったりはしてくれない。なるべく鼻で息をしないようにするが、それが呼吸を荒くしてしまい、まるで私がフトマロに一方的に抱きついて興奮しているかのように見えてしまう。
彼が学校へ向かうのを私は玄関で見送る。
忘れ物をしたりして戻ってくるのに備えて、私の身体は彼の気配が感じられなくなるまで玄関の前に棒立ちだ。
このときに誰か、回覧板とか宅配便で訪れてくれないかと思ったりもするが、その希望はほとんどない。
彼がいなくなった後は掃除、洗濯だ。
汚かった彼の部屋は今では普通に見られるほどの光景を取り戻した。
だからといってこの首輪に課せられた仕事はなくなったりしない。
昨日はなかった、床の上に散らばったティッシュやお菓子のゴミを手でつかんで、まとめてゴミ箱に入れる。そのあと、掃除機をかける。
(…私が掃除機みたいなものね)
メイド、と彼は言っていたがこれはお手伝いロボットみたいなものだ。
私は一切意思表示をすることができず、フトマロに言われたままのルーチンを繰り返す。
彼の衣服の洗濯も終わり、用意されていた食材での自身の昼食を用意する。
このときだけは詰め物を外されるのだが、残念ながらそれは防音、とされているフトマロの部屋の中だけ。
機械的に口元へ食事を運んでくる私の手に、鳥のように口をあけて放り込まれるのを待つ。自分で食べているはずなのに給餌されているような情けない気分だ。
食事が終わり、水を突っ込まれ、歯ブラシで歯を磨かれる。
一連の作業が終わると再び詰め物をくわえさせられるのだった。
時計をチラリ、と見てみるとまだ14時だった。
洗濯はもう終わっているので、フトマロから指示されている作業はすべて消化した…。いや、違うか。
フトマロのベッドの上に横になる私。
…もちろん私の意思ではない。
指示がすべて終わってやることがなくなったら、こうするように指示されているのだ。
着ているメイド服の下に手が伸びていく。
右手が自身の乳房をむにむにとやさしく揉み始める。
左手は私の脇腹あたりをさわさわと、撫でる。
『暇になったら…そうだな。ぐふふ。いつもやってるみたいに自分を慰めていなよ…ボクが帰ってくるまでね』
私はこの状況を嫌悪し拒否しているのだが、身体から上がってくるその感覚に、脳が勝手にドバドバとホルモンを作り出しはじめる。
どれだけ反抗しようと、その手は休むことなどしない。
延々と私の弱い所…気持ちが良くなるところを重点的に責め始める。
「むぐっ…んんんっ…!」
鼻からはフトマロの寝具に染み付いた臭い。
まるでこの男で抜いているような光景。
脳は嫌悪感と快感で混乱し、ますます身体を熱くさせていく。
(だ…だめっ…そこはっ…)
手はとうとう乳首や股間をまさぐりはじめ、身体にピリピリとした弱い電流のような快感が走り始める。
私のイク前兆のようなものだ。
高まり続け溜まった快感が弾けるかのように、私の意識は真っ白に飛んだ。
「ぐひ、ただいま。今日もお盛んだったみたいだね」
気持ち悪い声が耳元で聞こえて私は目を覚ます。
私が気絶している間もその手は自慰を続けていたようで、その手はまだ全身を弄り続けており、股間はぐっしょりと濡れたままだった。
彼が帰ってきたら食事の準備。
そう指示されている身体は、行為をやめて立ち上がる。
さすがに全身に疲労がたまり、筋肉も疲弊しているのかフラフラとした足取りだ。
こんな生活の繰り返しですでに何日がたったのか。もはやわからない。
唯一わかるのは、私が行方不明になり警察が捜索しているものの足取りはさっぱりだということだけだ。
…私の心が壊れるのが先か、誰かに発見されるのが先か。
私はフトマロのためにハンバーグを焼きながら、ぼんやりと考えた。
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