2019/08/09

ナノマシン ダイエット (2)

「ねえ、トモカのやつ、なんであんなのと付き合ってんだろうね」
「わかんないなあ。聞いても好きだからしょうがないって言うんだよなあ」
「根暗で何考えてるかわからんやつが好きだなんてモノ好きだよなあ…。本人はめっちゃ美人だからなおさらもったいない」


男女2人の仲を、クラスメイトたちが噂する。
放課後、HRが終わるとすぐにトモカは彼氏のほうにかけよっていったかと思うと、その腕に絡みつくように抱きついたのだ。

「ね、早く帰りましょ!」

HRが終わった直後、まだ担任も皆がクラスに残っているにもかかわらず、見せつけるような行動。
男子たちは"なんであんなやつが"、女子たちは"趣味が悪い…"と思っている。

男の腕を、自身の大きな胸を挟むように抱きついたまま、一緒に歩くトモカ。
その顔は本当に幸せそうで、周りが目に入っていない様子。

しばらく大通りを歩いた後、2人は小さな路地へ入っていった。
誰も人通りがいない通り。
男がポツリとつぶやく。

「ナノマシン…、一部解除」


ナノマシン ダイエット (2)

「ナノマシン…、一部解除」

俺がそうつぶやいた瞬間、満面の笑顔だったトモカの顔が、ワナワナと震え怒りに満ちていく。だがその表情とは裏腹に、肩を俺に寄せたままもたれかかっており、、その手は俺の手を恋人繋ぎで握り込んでいる。

「あんた…!いい加減に戻しなさい!」
「はっ。誰が戻すもんか。君みたいな可愛い子が彼女だというのに」
「…私はあなたと付き合うといった覚えはないわ!」」

 やれやれ。俺は頭を振る。

「ナノマシンに頭をやられちゃったのかい?君からぜひ付き合ってくれ、って言ったんじゃないか」

そう言いながら見せるスマホ。
そこに映るのはトモカが告白が受け入れられて、涙を流しているシーン。

「そこも…あなたがやったんでしょ!この…ナノマシンで!」
「そうなのかい?嫌ならさっさと離れてくれていいんだよ?」
「だから…それは…!」

先程からトモカは脳に俺の突き放せ、と命令をおくり続けているはずだ。
だが、トモカの身体は自身の匂いを俺に染み込ませようとしているが如く、身体を擦り付け続けている。

「クラスのみんなも祝福してくれているじゃないか…」
「どこがっ…陰口の嵐よ…!なのに…あなたは1日中私をナノマシン制御して…」

ダイエット・ナノマシン。
本来であればダイエットのために自己自動制御機能が付与されたナノマシンに、一定期間だけ存在したバグ。
特定の音とともに命令を下すことでそのナノマシンを有した人間を外部から自由自在に操ることができるのだ。
そのバグの発覚を恐れた製薬会社は徹底的な隠蔽を図り、このバグを知るのはほんの僅かな人間のみ。

そのバグをもったナノマシンを摂取したのがトモカだと知ったのは最近、
製薬会社に務める親が持ち帰ってきた社外秘の名簿リストだった。
最初は学年…いや学校1の美少女がこれ以上痩せてどうするかとだけ思った。
…だがその資料の後半に書かれていた恐ろしいバグが、俺を闇に引きずりこんだのだ。

彼女が一人でいるときにその特殊な音とともに命令を下す。

「俺が好きで好きでたまらない、女の子として振る舞え。俺の言うことはなんでも聞きたくなる。ところかまわずスキンシップをしてくる女の子としてな。スリープモード、レベル2。制限時間は…えーととりあえず10年で」

スリープモードはレベルによって自意識の扱いが変わる。
レベル1は顔の制御はそのまま、身体の制御をナノマシンに任せるもの。
レベル2は全身の全制御をまかせつつも自分の意識は覚醒させておく、というモードだ。
レベル1,2は掃除や育児、料理などの人間の判断が重要となる作業の最中、いつでも自身の判断でナノマシンを停止させられるようにするための機能だ。

レベル3になると意識すらも停止し睡眠状態となる。公園でジョギングとか筋トレをしている人たちはレベル3で動いていることが多い。苦しくない、辛くない状態で適度な運動ができるのだ。起きたら痩せている、なんてすごいんだろう…ってね。

だが、もちろんレベル3で制限時間を10年などにしてしまうと、起きたときにとんでもないことになってしまうのは想像に難くない。だからレベル別に制限時間が設けられ、規定の時間以上は強制的にスリープモードが解除されるようになっている。

レベル1,2は半日。
レベル3にいたってはたった1時間。
だが、このバグを使うとその制限を無視してほぼ永久に使用が可能となる。

彼女の身体を強引に自分の前へ引き寄せる、
左で彼女のその大きな胸を、右手でお尻の右をもにゅもにゅと大きく揉んで見る。
「や…やめなさい!!!叫ぶわよ!!!」
「ナノマシン。音量を20%に制限」

彼女が激しく叫んでいるのにもかかわらず、その声はささやき声のように小さくなった。
そしてその声の感情とは裏腹に、自身の手を俺の手にそれぞれ重ねて"もっと触れ"という合図をしてきたのだ。
こころなしか彼女の身体がすこし暖かくなっているような気がする。

「ね、トモカ。もしかして感じてる?」
「っ…!だ、誰が…!あんたなんかにぃ!」

だが、全身が発情しているのか、息が荒くなってきている。
俺はトモカの肩をつかんでくるりと反転させて向き合わせた。
彼女の表情は殺意に満ちあふれている。

「じゃあ、もとに戻すよ」
「い…や…!」

一瞬顔が恐怖に歪む。
だが、俺は容赦なくその言葉を続けた。

「ナノマシン、目以外を制御開始しろ」

トモカは一瞬無表情になったが、すぐにその口元はゆるみ、頬を染める。
だが、その目だけは決して許さない悪人を睨みつけるかのように鋭い。その目尻には大きな涙の粒がたまり、そして頬を伝った。
彼女の目は泣きながらも、顔はトロンと蕩けているアンバランスさが面白い。

俺が「いいよ」と口にすると、まってましたとばかりにトモカは俺の首に手を回し、顔を勢いよく近づけ俺の唇に、自分の唇をあてがった。
その行動にトモカの目がカッと見開いたあとに、どうにもできないと悟った彼女は目をつむり、現実から目をそらす。
…彼女の自由はたったそれだけ。

トモカは俺の左足を逃さないといった感じでふとももで挟み込む。
お腹や胸を俺に押し付けながら、キスを続ける。
そして我慢できない、といった感じで小さな口の中の、かわいい小さな舌を俺の口内へ侵入させた。トモカの目がピクッと痙攣したかのように震える。
俺の口内の水分を全て吸い尽くす勢いで吸い、そして舌から歯、そして口腔まで。
隅から隅まで余すこと無く舐め回して飲み込んだ。
ぷはぁ、と離れた俺の唇との間に長いよだれの線が垂れる。



「んふふ。おいしかったー」
「そうか?ならよかった」

満足そうに、だが名残惜しそうに身体を離すトモカ。
男は心のなかでほくそ笑む。
ナノマシンとはいえこんな美少女が俺に尽くしてくれる。
そしてその美少女の身体に閉じ込められた本人の泣きわめく意識があるかと思うと、愉悦を感じるのだった。

「トモカ」
「はい!なんでしょう!」

俺への愛情が100%を占める彼女は、俺のいうことであれば何でも叶えようとする。
叶えることが幸せだという命令をナノマシンは忠実にこなすのだ。
常識的に考えても全力で拒否するような内容であっても…だ。

「ここは誰も来ない。トモカ。ここでおしっこをしろ」
「はいっ!」

躊躇も戸惑いもない元気な返事。
俺の命令を聞けることに極上の喜びを感じている。
トモカはもどかしい、早く俺の願いを叶えたいといった感じで。
素早く下着をおろし、自身のスカートを捲りあげ、その場に座り込む。
トモカがお腹に力を入れ始め、そろそろ…といったタイミングで俺は。

「ナノマシン…、一部解除」

絶望の言葉を発してやった。
その瞬間顔が真っ赤に染まるトモカ。

「い、いや!いや!いや!止まって…!お願いだから…!動いてよおおおおおお」

小さな小さな蚊の泣くような叫び声。
その反抗の意思とは裏腹に、身体は進んでその体内の水分を排出し始める。
しかも俺にその様子を見せつけるように。

「いやあ…いやあ…なんでよ…なんでこんなこと…」

彼女の顔は涙で真っ赤だ。
せっかくの可愛い顔が台無しだ。

「はぁ…。ナノマシン、全体制御開始」

彼女の泣き顔は一瞬で笑顔に変わる。
しばらくして出が止まり、トモカが立ち上がる。
すくっと立ち上がる。
膝にはその下着がひっかかったままだった。

「トモカ、その下着をよこせ」
「はい!」

下着を躊躇なく脱ぎ、俺に手渡してくる。
彼女のぬくもりが残ったそれはまだ暖かい。

「じゃあそのままかえるぞ」
「はーい」

短いスカートの下は何も履いていないが、トモカはそれを気にしない。
今の彼女にとって一番大事なのは、俺の言うことを忠実にこなすことだけだからだ。
自身の股間が曝け出されていようと些細なことなのだ。
校舎を出たときと同じように俺の腕に艶かしく絡みつく。


「これからもよろしくな。トモカ」


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