2話
桜子が家にあるお茶ー俺はなんの銘柄か、まったくしらないが桜子に言わせると俺の両親は結構通な物を飲んでいるらしいーをトレイに乗せて運んできた。
カーペットの上に置かれたシンプルなローテーブルに、俺のなんの特徴もないマグカップと、桜子がおいたままにしている猫柄のマグカップが並ぶ。
桜子はベッドを背もたれにして座っている俺の肩に寄り添うように座ってきた。
付き合い始めて間もなかった頃は、テーブルを挟んで向かい合っていたのだが。
クラス公認、親公認…と時がたつに連れて桜子は積極的になってきた。
…2人きりの時だけ、だが。
俺は左手を桜子の腰に回し、軽く触れる。
何をするわけでもないが、桜子はこうして静かに触れ合っているだけの時間がとても幸せに感じる、と言っていた。
(とはいえ…今日はちょっとだけ楽しませてもらおうかな)
制服の上からでは彼女の胸がどうなっているか、窺い知ることはできない。
普段よりちょっと前に突き出している感じがするかな、というぐらいだ。
左手を腰からゆっくり話、腕を少し上にあげる。
シュル…と手と制服の布がすこしこすれる音。
だが、彼女にもその感覚は伝わっているはずだ。
桜子はこちらをゆっくり見るとニコリ、と微笑む。
いいよ、という暗黙の返事。
俺のすることなら…とすべてを無条件で受け入れてくれるそんな様子と、俺がこれからすることを想像するだけで、全身がじわじわと熱くなっていく。
(ひとまずは現状確認…と)
制服の下へ左手をゆっくり滑り込ませ、目標の大きな胸へ這わせてゆく。
魔人の力によって脂肪の塊で柔らかいはずだったソレは、今朝からただのゴムの塊に置き換わっている。
グニグニと弾力のある感触は、人の感触からはかけ離れていた。
人の体温を持っていない常温の乳房にはクーパー線など存在せず、そしてブラジャーが無くても垂れとは無縁、先端にいくと不自然に胸から数mm浮いた乳輪と、ブラジャー越しからでもその存在を主張してくるのは勃ったままの乳頭。
制服越しからではわからないが、その色は全体が人工的なピンク色になっているはずだ。
桜子をちらりと横目でみてみれば、神経はないはずのその胸でも触られている感触はあるのか、彼女の息はすこし荒くなっていた。
(おい、どうなってるんだ?)
『感覚は残されている。お前が望めばなくすことも可能だ』
なるほど。いや、ひとまずはこのままでいいだろう。
楽しみは先に取っておいたほうがいい。
知らず知らずのうちに体が人形に置き換わっていく様。
本人は最後まで、肉体のすべてが人工物に置き換わってもその異常に気がつくことができない。
恐怖に泣きわめく様や、助けを懇願してほしいわけでもない。
痛みや苦しみを与えたいわけでもない。
ただただ人から人形へ変わっていく様子をみたいだけ。
(さて…魔人よ。これからが本番だ)
次の願いはー。
4話
ついに次の願い!果たしてどこが変化するのだろうか?
返信削除