Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2019/05/06

シェイプチェンジ(1)


RPGで見かけるモンスター変身魔法。
ぱっと思いつくのであれば風来のシレンの肉とかダーククロニクルのモニカでしょうか。


TRPGだと変化させた上に知能低下や混乱をかけて嵌めるみたいなリプレイもあったりしてなかなか楽しませてもらったものです。
ということでそんな感じのお話です。






敵を倒した瞬間に金色のオーラが立ち上るアイテムがドロップした。
まさかまさかのレアドロップ。
このゲームでは魔法はすべて魔導書アイテムという消費アイテムを使用してキャラが取得する。
ある程度までの魔法は店で売っていたりクエストで手に入ったりするのだが、ごく一部の強力な魔法はボスのレアドロップなどに入手が制限されているのだが…。

分厚く装飾が施された魔導書はそれだけでも凄いものだ、と予感させたが。

「…シェイプチェンジって聞いたことないな…名前からすると変身系だけども」

それにモンスターに変化してその能力で戦うことができる変身スクロールは店売りしているし、そのスクロールを作る職業も存在している。
それが魔法でできるだけ、というのであればそこまで大したことがない。

これでは実質相場がなく、売るのにも苦労しそうな魔導書だ。
戦士系だからといって魔法が使えないゲームではないので、いっそのこと覚えてしまうのも良いかも知れない。
俺は魔導書を開くと浮き上がって表示された習得アイコンを軽く触れる。
シュン、という魔導書が消える音と共に、俺の魔法タブに1つ、魔法が追加された。

「とりあえず詠唱してみるか…」

"何に変身するか"という表示とともにターゲットアイコンが表示される。
なるほど、スクロールと違って対象を指定できるのか。

とりあえずあたりをキョロキョロと見回す。
すでに街に近いためにモンスターは見当たらない。
ようやく視界ギリギリにいたモンスター「汚泥したスラッグ」を選択する。
全身がドロに覆われた見た目はナメクジのようなモンスターだ。

「…ん?」

まだ魔法は発動しない。
次にあられたのは…

「誰を変身させますか」

どうやら対象も自由に指定できるようだ。
変身スクロールは使用者が変わるだけのアイテムだったがこれは対象を選べるようだ。なるほど、すこしは面白いかも知れない。

俺は場所を移動して、拠点からすこし離れた裏街道で身を潜めた。
ここは北マップのレア素材帰りのプレイヤーが通るが、それ以外は滅多に人は通らない。
そのマップもソロ狩り主体のマップで、それゆえPKに狙われやすいということもあり、プレイヤー間の警戒心は高い。

(きたきた)

どうやら女性キャラ…格闘タイプのようだ。
仮にPKをしかけたらどうだろうか。相手の打撃火力に押し負けるような気がする。

(さて…ターゲットを彼女に…と)

---

ーまったく。ドタキャンってばなくない?

ナミったら朝から狩りの予定だったのに寝坊してログインできないなんて。た。
そのせいでソロでいける狩場にいくしかなかった。
数時間で稼ぎもそこそこ(予定よりは遥かに少ないが)になったし、ナミもログインするらしいのでホームへ戻ることにした。

なにやら前方に殺意ではない…が敵意のような物を感じる。
やだなあ。そういえばたしかここはソロ狙いのPKが多かったんだっけ。

(帰還の護符使おうかしら…でも稼ぎが半分なくなっちゃう)

あらゆる場所からホームタウンへ戻ることができる護符は便利な反面、価格が高く設定されている。

(でも…気配は1人…か。なんとかなるかもしれない。盗賊なら火力勝ちするし、戦士や魔道士なら逃げればいいし)

唯一不得手なのは距離を取って素早い攻撃をしてくるエルフではあるが、その耐久力からしてPKには向いてない職業だ。
よし、大丈夫。このまま行こう。

念の為、俊足と反射回避のスキルを発動させる。

(よし…いくz…

私の視界がガクン、と急に下がった。
目に入る景色の半分以上が硬い地面になる。
まるでその場に倒れ込んでしまったかのような体勢だ。

(…!?な、何をされたの?!)

私はとっさに起き上がろうとした。
でも、手足の感覚は一切なく、立ち上がるができない。
状況を確認しようと、あたりを見回そうとしたが首自体が固定されたのか、なくなってしまったかのようだ。

「&&-%&--#&!?」

だ、だれか、と叫んだつもりが口から出たのは高い叫び声。
どこかで聞いたことがあるような、ないような…。

「はは、まさかあっさり成功しちゃうなんてな」

はるか上空から男の声が聞こえた。

(な…何をされたの?麻痺…?石化…?この声は一体…?)

いままでにかけられたどんな攻撃にも該当しない異常事態。
慌てて視界隅に映るステータス情報を確認するが…。

(…正常!?嘘でしょう!?)

HPも白色で異常なし。
バフ/デバフ欄には先程自分がかけた俊足、反射回避の2つだけが表示されている。
だが、表示に反して自分は倒れ込んでおり、目の前に人-おそらくPKプレイヤーだろう-が立っている現実。

この時の私はもっとしっかりと調べるべきだった。
自分のステータスの詳細を見ればわかったはずなのだ。
力/STRや耐久力/VITが大きく落ち込み、素早さ/AGIが1…ほぼ皆無という状況になっていることを。

ブチ。

私は真っ二つに切り裂かれた。
目の前の男が振りかざした…おそらく大きな戦斧によって。

---

パーン、とNPCモンスターが粉々に弾けるエフェクトが発生し、目の前のスラッグは姿を消した。
残されたのは彼女の遺品。
このゲームは死亡時に所持していた金銭やアイテムを確率で落とすが、その確率が低い。悪漢扱いとなり街に入れなくなるPKという行為に見合う報酬ではないのだが…。

「はは…指名手配されない…ぜ…?」

自分の評判ステータスは少しも下がっていない。
衛兵に追われるようなレッドネームになっているようなこともない。

(まさかシステム上は…モンスターを倒しただけってことか?)

相手を一方的に倒すことができ、さらにデメリットもないとなれば最高のスキルじゃないか。
もっとこのスキルを把握しておく必要があるな。
まだ俺の知らない効果があるかもしれない。

---

一方的にPKされた私は最寄りのホームポイント、クリスタルの前に復活する…はずだった。

(え…ここ…どこ…?)

気がつけばあたり一面ドロドロとした沼地。
何故か私はここにリスポーンしたのだった。
そして…。

(え、どうして…まだ身体が動かないの…!?バグ!?)

腕のジェスチャーでマップを開こうとした私は、その動作が出来ないことに驚愕する。
マップを開くどころではない。アイテムポーチや装備欄、スキル欄すらオープンできない。

(いけない。一旦ログアウトして運営に連絡…ってあれ?!)

そうだ、ログアウトするにはメニューを開く必要がある。
メニューを開く動作、手を上から下へおろすジェスチャーが今の状態では不可能なのだ。

(こ…このへんな状態異常が治るまでこのままってこと…?じょ、冗談じゃないわ)

身体は完全に麻痺しているわけではないようで、モゾモゾと這うようになら移動ができる。
相変わらず視界は最悪だが…助けを求めるしか無い。
だが、フレンド欄も開けないこの状況でどうすれば…。

しばらくすると、周囲からわいわいとした声が聞こえてくる。

(あ、あの声は…ナミ!)

今日、一緒に狩りをする予定だったナミの声だ。
どうやらナミとそのPTが狩り場へ移動している最中のようだ。

「マナってば、オンラインなんだけど返事がないのよねえ…ソロ狩りに夢中になってんのかしら」
「ナミが遅刻するから怒ったんじゃない?とりあえず先に向かってるってメッセージ送っときなよ」

(私!私はここ!)

私に気が付かず通り過ぎようとしているナミに声を挙げる。
だが、私の口から発せられたのは

「&-#-%&&-&!?」

またしても甲高い叫び声。
だがその声にナミが気がついたのか、こちらへ向かってくる。

(ああ、よ、よかった…た、助けてナミ)

「…なーんだ。ただの雑魚ナメクジじゃん。レアポップモンスターかと思ったよ」

(…え?)

明らかに私に向かって発せられたナミの声。
それは親友に話しかけるような声色ではなく、ゴミを見つけてしまったかのような声。

(な、何を言ってるの、ナミ。私よ、わたー)

「イグニ」

ナミの人差し指から発せられた小さな炎。
その炎は一直線にこちらへ向かってきて私の全身を焼いた。

(う、嘘でしょ、ナ、ミ…)

パーンと破裂する身体。
私は再びPKをされた。次は親友の手によって。

「あ、あれ?!なんか凄い武器落としたんだけど…。もしかして本当にレアモンスターだった?」

---

私はそれからずっと、この沼地でリスポーンをし続けた。
そして何度も何度もPKをされることになる。

さすがの私もこれだけPKされれば状況がわかってくる。
この沼地、そしてナミが言っていた雑魚ナメクジという言葉、始めたばかりの初心者にすら一撃でやられてしまう貧弱なパラメータ。
極めつけは泥水に映った自分の姿。
そこには時間をかけてキャラメイクをしたかわいい自キャラの姿はなく、骨すら持たない軟体生物がいたのだった。

(これ、”汚泥したスラッグ”だ…)

ゲーム内で最弱のモンスターになぜか変化しているのだ。
変身スクロールであれば30分で解除されるはずの変身は1時間以上たったいまも解ける気配はない。

(そもそも、変身中でもメニューは出せるはずなのに…)

ログアウトすることもできず、この変化の効果時間が切れることを祈って私は沼地の隅で、プレイヤーから隠れるようにして息を潜め続ける。
珍しいドロップをするスラッグがいる、という評判が広まったのか普段人が狩り場にすることがないこのエリアには大量のプレイヤーが押し寄せていた。

ガラ、と頭上に合った岩がよけられ、光が頭上に差し込む。
目の前には冒険者の足。

「いたいた、よいしょっと」

ブチッ。
蚊でも潰すかのようにPKされる私。
次にスポーンする場所がプレイヤーの近くであればすぐに倒されることになる。
大量のプレイヤーがいるこのエリアはリスポーンしたモンスターを片っ端から倒していく殺戮現場となっている。
すでにアイテムはどれだけロストしたかわからないが、PKドロップだと知らないプレイヤー達はこの狩り場から離れようとはしない。

私は何度も何度も潰され続けた。



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