もみもみもみもみ…
「なあ、いつまで揉んでるんだ?」
「ん?」
俺の質問には答えず とぼけた顔をして胸をもみ続けているのは彼女の栞。
ちなみに栞は自分の胸を揉んでいるわけではない。
なにせ栞の胸はちっさ…
「なにかいった?」
「いえ…なにも」
小さな手のひらで大きな胸をぐにっと掴まれる。
女の子の力とはいえ、力いっぱい掴まれると少し痛い。
そう、揉まれているのは俺の胸なのだ。
30分ぐらい前から俺の背後に回り込み抱きつくような格好で一心不乱に揉み続けている。
「…はぁ。俺の彼女がそんなに巨乳好きだとは思わなかったよ」
「…私も自分の彼氏がこんな立派なものを持ってくれるとは思わなかったよ」
俺に襲ったのはTS病。
高熱でうなされ一週間、意識朦朧としていた俺が気がついたときにはもう俺の身体は女の子になっていた。
「…俺は男だよ」
「私よりデカイ胸を持った男がいるかあ!」
ぐにぐに。
柔らかいスポンジのように形を変える胸。
最初は何も感じなかったが、こう長い間しつこく触られていると…。
「な…なあ。そろそろやめてくれないか」
「んー?あー。キヨヒコちゃん、もしかして感じちゃってるのかなー?」
もにゅもにゅ。
栞が揉み方に緩急をつけてくる。
先程まで意図的に避けていたのだろう、栞の指が胸の先端に少し触れる。
ビクッ。
身体に電撃が走ったかと思うと俺の口からんっ…と甘い声が漏れる。
「んふふー。もうビンビンに勃っちゃってるねえ」
女になってしまったことで 、息子が興奮を主張するようなことはなくなったが女は女で見た目で分かってしまう特徴はあるのだ。
…栞とやっていたときはあまり気が付かなかったが。
ギュ。
「んあっ…」
栞が俺の心の悪口を察したのか、ちょっと強めに先っぽを摘まれた。
「キヨヒコちゃんの声、好き」
「…俺は好きじゃねえよ」
TS病にかかると大体は幼くなる。
俺も例に漏れず、見た目…身長も体重も10代前半相応に変化した。
胸だけが異常に大きくなったのだ。
まあ、TS病ではこういうケースはレアではないらしい。
男から女になる過程で不要なエネルギーを汗や熱、そして排泄物で大量に放出するのだが、出しきれなかった分はこうして身体的に残るらしい。大抵は胸やお尻にその傾向がみられる。生存本能の一種かもしれないと言われているが。
「ね?いい?」
「ん…。うん…」
耳元で小さく呟かれる。
栞の小悪魔な声に身体が勝手に反応してしまう。
ぐっと身体をベッドに倒され栞がその上にまたがる。
(…少し前と立場が逆になってしまったな)
しょうがない。
この身体は栞に触られると、異常に気持ちが良いのだ。
男の時にはなかったその感覚は、俺を虜にして離さない。
栞の顔が近づいてくる。
俺は目を軽くつむった。
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