Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2019/04/20

放課後の不審者


体育の時忘れ物をしたから見てくる、と出ていった七穂がいつまで経っても戻ってこない。
気がつけばもう30分。メッセージを送っても反応がない。
七穂の机にすれ違わないようにメモを置き、飛ばないように彼女のカバンを重しにしておく。



人の気配がする更衣室の扉をゆっくりと開ける。
そこにいたのは七穂…ではなかった。


目の前にいる男が…キグルミを着るような体制で全身タイツのようなものを着込んでいるところだった。
上半身は太った中年のような肉付きをしており、ところどころ脂肪が山をつくっているのがわかる。不思議なことにキグルミの中に収まっている下半身はまるで普通の女性のようなスラッとした足をしており、アンバランスな体型が奇妙である。
その足元には女子生徒の制服が1組、無造作に置かれていた。

(へ…変質者?)

足がすくんでしまって動けない。

男はこちらに気が付かないまま、そのキグルミをどんどん着込んでいく。
だらりと頭髪が着いた頭部分を被り終えると、こちらに気がついたのか振り返る。
その男は…いや、キグルミは木ノ下七穂だった。

「…ん?おや?あちゃー見つかっちゃったか。鍵かけ忘れるなんてボクも抜けてるなあ」

その体型も、声も紛れもなく木ノ下七穂だったが、その口調から本人ではないことがわかる。非現実的な現象だが、この目で見たことを信じるのであれば目の前のクラスメイトは本人ではない。中には先程の男がいるはずなのだ。

「…あなた、誰なの。 七穂じゃ…ないよね」

素っ裸なままなのを気にせず七穂がめんどくさそうな顔をする。

「うーん。この学校の生徒の皮は2枚もいらないんだよなあ」
「本物の七穂はどこなの…!」
「え?やだなあ。私が本物だよ」
「…嘘よ」

あはは、と無邪気に笑う七穂。
だがその奥底に見え隠れするのはイタズラがバレてしまたなあという悪気のない悪だ。

「いやいや、本当だよ。正確にはこの"皮"が本人のから作った"本物"だけどね」
「皮…?」
「ボクは触れたものなら何でも皮としてコピーできるんだよ。あ、もちろん皮を取ったからって七穂ちゃんは死んでないから安心してね」

…そんなことをしてなにをするつもりなの。

「なにって。そりゃあかわいい女の子になりたいからに決まってるじゃないか。変なことを聞くんだね。そして…」

七穂が近寄ってきたかと思うと私の背後にある更衣室の扉に鍵をかけてしまう。

「見られちゃったからには…どうにかしないとなあ」
「え」

そういいながら男が手をかざす。
かざした先…なにもないはずの空間にぐにゃり、と歪みが発生する。

「ボクにはもう1つ能力があってね。強制的に人に皮を着せることができるんだ」

そういいながら虚空から取り出した物は…だらりと垂れ下がった大きな塊だった。



七穂の手の先から現れたその物体は空気が抜けた浮き輪のにしわくちゃになって潰れている。
だが、浮き輪にしては大きすぎる。
もしあれがゴムボートであれば膨らませれば人間が2-3人ほど乗れそうなサイズだ。

「それっ」

それをまるで重さがないかのようにひょいっとこちらに放り投げてきた。
とっさのことで避けられず、その物体は私の身体にぶつかる。その衝撃に私はすこしよろけたものの、なんとか踏みとどまった。
投げられた物体は物理法則に従って下に落ちるだけ…だったはずなのだが。

ガバっと獲物を加えようとする蛇の如く、まるで生きているのでは思うぐらいに物体の中央が大きく口を開いた。
その皮の中は暗闇で窺い知ることができない。
あっという間に私の頭より大きく開いたその口は、私に抵抗させる暇を一瞬たりとも与えず飲み込んだ。

(つ!?)

頭部がすべて覆われてしまい視界から光が失われる。
慌てて両手で顔に覆いかぶさった異物を取り去ろうとする。
だがその物体は思っている以上にぶにぶにした何かで覆われており、掴みどころがない。
いろいろな方向に力を入れて外そうと試みていたが、徐々に徐々に首周り、そして肩口まで覆っていく。
踏ん張りすぎて両腕が疲れ、すこし降ろした瞬間、ググググ、と予想以上のスピードで侵食を始めてしまい、腕、そして手が飲み込まれていく。
私は直立…気をつけの体勢のまま、もはや飲み込まれていくのを待つことしかできなくなった。
身じろぎするぐらいの抵抗ではその侵食は止まらず、とうとう全身が外気から遮断されたのを感じた。そう、足先まで覆われてしまったのだ。

 (お…おわった…?む、むぐ!?)

動きを止めたかと思った瞬間、身体をぎゅうぎゅうと外から圧縮してきた。
私とこのよくわからない物体の隙間にある空気をすべて押し出そうとでもしているかのようなその強烈な力と、息苦しさ、そして視界を封じられバランスが取れなくなった私はばたりと意識を失った。



ーーー

「起きて」


脇腹に鈍い痛み。

「起きてってば」

また。

「起きろってばあ」

ガスッ。

(う…な、なに…?)

全身がけだるい感じ。
心なしか先程より気温が高くなっているような気がする。

「いつまで寝てんだよもう…」

ゲシッ。

(な…七穂?)

薄っすらと目を開ける。
七穂がこちらを見下ろしている。
その顔と口調は…やっぱり本人ではない。
いや、それよりもあの袋のように私を包んだ物体は一体なんだったのか。

「…いったい私に何を………」

え?

「あー。あー。あー」

え?
なに、この声。
私から発せられた声は、太く低く、人混みではまったく通らなさそうな声。
私が一度も発したことのないようなくぐもった声だった。

いやそれだけではない。
口の中も違和感がある。
なんだろう、口の中の肉が…腫れているような、舌が動かしにくいような。

右手で違和感のある口を触ろうとして…私の手がピタリと止まった。
私の意思で動いた右手は、私の右手ではなかった。

「な、なにこれ…」

まるでポンプで膨らましたかのようにブクブクに膨らんだ太い指。
指だけではない。手の甲にもパンパンに張った脂肪が…違う手首も少し前に私の2倍はふと…え、え。なにこの腕。

私の視界に入ってくる私の身体がすべて、変わり果てていた。
手や腕だけではない。
顔にもたっぷりと脂肪が乗っており、触れた手にギトギトの脂がつく。
慌てて立ち上がろうとするが身体の異常な重さに腕を支えにしてようやく身体を起こすことができた。

「う…うそよ。なによこれ」

胸は女性の胸のかわりに潰れた脂肪の塊。お腹はその過剰な贅肉で何段もの層を積み上げていた。
太ももは以前の私のウェストの2倍はありそうな太さになっている。

「どうだい、ボクの能力は」

七穂を着込むようにして成りすましたあの行為。

そして
ー 強制的に人に皮を着せることができるんだ
という言葉。

まさか。
この身体。

「ボクはこーゆうのために口封じにいろいろ色々皮を持ち歩いてるんだ」

 くち…ふうじ?

「そ、口封じ」
「…あなた馬鹿なの?私が黙ってるわけ無いでしょ。今すぐにでも教師に…」
「その格好で?」

はっと身体を見下ろす。

「素っ裸のデブが学校の、しかも女子更衣室に侵入していますって?」
「話せば…」
「君の姿を見て誰が信じるのさ。私はこの学校の生徒で、しかも女の子ですって?逆にボクがいま、大声で叫んだらどうなるかなぁ?ボクは可哀想な事件の被害者で、君は悪質な変質者。その後君は檻の中ってね」
「そんな」
「ちなみにその皮は…えーと誰だったかな。忘れちゃったな。太りすぎて歩くのもキツイって言ってたけど」

私は包み込んだ皮の切れ目を探そうと足の裏や首の根元に引っかかりがないかを探す。
だがどこもブニブニとした脂肪の感触が返ってくるだけだった。

「ムリムリ。皮を着るのも脱がすのも、ボクの意思次第さ」
「…どうしたら脱がせてくれるの」

そうだなあ、と七穂が考え込む。

「しばらくこの子の生活を楽しむからその間黙っててくれたらね」
「しばらく…ってどれくらい?」
「さあ?少なくとも明日明後日の話じゃないのは確かだね」
「そんな、こんな身体じゃお家にも帰れないじゃない…」
「ああ、そっか。ソレは困るね。ヤケになって変に暴れられても困るし」

ホントはもっと簡単に口封じするんだけどね、と七穂がこともなげに言う。
そんな恐ろしい魔法みたいな皮があるなんて信じたくないが、今自分の身体に起きている現象を考えれば、あり得る話だ。

「じゃあ、はい、どうぞ」

先程と同じように皮を虚空から取り出した。
それは…ん?

「え、これ…って私?」
「お、鋭いね。正解」
「え…どういうこと?」
「ソレを着込めば君に戻れるよ。…もちろん上辺だけ、だけど」
「いや、そうじゃなくて…」

私はてっきり、七穂が皮にされて着込まれているのだと考えていた。
でもここに私がいて、私の皮があるというのは事実に反する。

(そうよ…七穂は、本物の七穂はどこにいるの)
 私は目の前の偽物から受け取った自分の皮を仕方なく着込んでいく。
この巨体に対して私の皮は非常に小さいが、着込んでいくと身体のサイズがその皮のサイズにフィットしていく。
皮を着込み終わった私。身体の中に違和感はあれど、見た目は問題なく元の自分に戻っている。
本物はその中の、更に中に閉じ込められているのだけど。

「私の…服は?」
 
最初飲み込まれてるときに制服は着たままだった。
つまり私の制服も身体と同じく中に閉じ込められているのだ。

「はい、どうぞ」

また、どこからともなく出したのは女子の制服。

「大切に扱ってあげてね」
「?どういうこと?」
「それ、七穂さんだから」
「え?七穂の制服ってこと?」
「違う違う。七穂さんそのものだよ」
「…まさかこれって」
「そう、制服の"皮"だよ。この中には七穂さんの本体がいるよ」

見た目はどこからどうみても、布で出来た衣服だ。
まさか、こんなものも皮にできるというのだろうか。

「…簡単に口封じってこういうこと」
「そ、 口がなけりゃそもそも喋れないでしょ。他にもいろいろあるけどね」

 石像の皮とか、水着の皮とか、豚の皮とか、人形の皮とか。
こともなげに恐ろしいことをつぶやく。

「…じゃあなんで私にはこんなことを」
「さあ?たまには違ったことしないと面白くないからねえ」
「…本当に戻してくれるんでしょうね」
「疑い深いなあ、そこはちゃんと約束しよう。ボクが七穂ちゃんの生活に満足したら、君と七穂ちゃんをモトに戻してあげるよ。でももし反抗するようなら君の皮は回収するし、七穂ちゃんはそのまま。…だから協力してくれるよね?」
「…わかったわ」

(七穂…絶対元に戻してあげるからね)

 終

















2 件のコメント:

  1. 七穂はユニフォームになっちゃったんですか。

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  2. そうですねー。ちょっとお話に矛盾があったのでこっそり手直ししました。

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