Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2019/04/13

住み込みバイト


年齢不問
半年~の住み込み
日給2万円+生活費
※期間中は休みがありません。



何をするか分からないバイトの募集。
だが、仕事をやめて次にやることも見つからず、毎日怠惰に暮らしていたが貯金が目減りしてきた俺にとっては僥倖だった。

(…半年以上ってことはアパートも引き払えるな)

「採用通知」と書かれた書類が届いて俺は考える。
バイトが終わってからまた住むところを探せばいい。
今住んでいるアパートの荷物は実家に送りつけ、不要なものはすべて処分する。

最低限の生活用具を持ったまま指定された場所へ向かうと…。

「なんだこりゃ。すげえなあ」

長い長い塀が続いており、その奥には大きな庭と豪華な建物。
ひと目で見て分かる大富豪ってやつだ。
ここに住み込みなのだろうか…執事や家政婦みたいなことをやらされるのだろうか。
(料理だったらやばいな)

「……採用通知をいただきました、斉藤と申します」
「え?…斎藤さんですか?しょ、少々お待ち下さい」

慌てた感じの女性の声。
しばらく待たされた後、 これまた豪華な応接室へ通された。
どうやらこの女性は奥様、のようだ。

「…え?間違い?」
「え、ええ…。まさか男性だとは思わず…」

またか。
斉藤ひなた、という中性的…いや一見すれば女性と間違われる名前のせいでこういうことは多い。

「じゃ、じゃあだめですかね…家も引き払ってきてしまったのですが」
「そ、それがこちらも結構時間がなくてですね…、もしあなたがよろしければお願いしたいと考えているのですが…」

いいのか。
とはいえここで追い出されるわけにもいかない。

「仕事内容がさっぱりわからないですが、こちらもここで働けないと田舎に戻るしか無いので…」
「ありがとうございます。…ではまずこちらをどうぞ」

小さなお猪口に入った水を差し出される。
どうやらここから本格的な仕事の話になるようだ。果たして俺に務めることができるのか、背筋を正しながら飲み物に口をつけ、一気に飲み干す。
味がないそれはただの水のようだった。
俺が飲み干す様子を見てから、奥様が1人の女性の写真を差し出した。

「…これは?」

奥様に似た顔立ちをしたお嬢様学校の制服を着た女性。
奥様も相当な美人であるが、この子はさらに輝いて見える。芸能界にいてもおかしくない美少女と言った感じだ。


「娘さんですか?」
「えぇ…恥ずかしながら」

恥ずかしながら、と前置きをするということは、素行でもよくないのだろうか。
見た目は黒髪で制服もきっちり着ている。
いわゆる優等生タイプに見えるのだが…あまり成績がよくないとか?

「もしかして私の仕事は家庭教師…みたいなことでしょうか。恥ずかしながら私も大学は出ておりますが教える、なると」
「いえ、たしかに学業も不安なところなのですが…その」

顔を伏せながら事情を話し始める奥様。
どうやら学校でイジメにあったらしく、学校へ通わなくなって半年経つのだという。

「私の夫はそれなりの立場にいまして、娘が不登校…そして高校を留年や中退ということになれば世間体が立たないと騒ぐのです」

同性で住み込みということはそういうことだろうか。
俺は先回りして聞いてみる。

「はぁ…カウンセリングみたいなことをしろ、ということでしょうか。それこそ専門家に募集したほうがよろしいと思うのですが」

ふるふる、と首を振る。

「今年の出席日数からしてカウンセリングを待っていては留年が確定してしまうのです。
学歴に傷がつくのも嫌なのか、転校は許さないと夫は言っております。娘とは何度も話したのですが、どうしても行きたくないと」

はて…どういう…ことだろうか。
 「そこで娘の"代わり"に学校へ通ってもらおう、と。それなら娘も良いと」
「… どういう、ことでしょうか」

代わりに、通う…?
何を……言ってるのだろうか。
部屋が温かいせいだろうか。
頭が少しぼんやりとしてきている。

「申し訳ありません。今飲んでいただいたのはそのための薬、となります」
「く…す……り?」

瞼が自然と閉じていく。
ソファに座っていた俺の身体がぐらり、と揺れ横倒しとなり、俺は意識を手放した。

…のは一瞬だった。
いや。本当に一瞬だったのか。
気がつけば暗い部屋にぽつり、と立っていた。
"立っていた?"
意識を取り戻したばかりなのに立っていた、とはどういうことなのか。

暗がりでよくわからないが、綺麗に装飾された応接室とは違う部屋。
現状を理解できないがとりあえず部屋の灯りを探す。

スイッチを見つけ、パチリと入れる。
可愛らしいぬいぐるみや写真立てが置かれた勉強机。
勉強机には学校の教科書とノートが積まれている。

「どこだ…ここ…ってなんだこの声!?」

つぶやいた声から漏れたのは聞き慣れない若い女性の声。
慌てて胸に手をやる。
ふにゅん。
感じたことのない感覚が胸にある。
手のひらが小さい。腕が細い、髪の毛が長い。
え…なんだこれは。

机に置いてある小さな鏡を覗き込むとそこには…。

「これ、あの娘さんじゃん」

仕事を依頼してきた奥様の娘の顔がそこにはあった。
やけにスースーするな、と思ったがどうやら写真と同じ制服を着ている。
手を上げれば鏡の中の女の子も同じように手を挙げる。
軽くウィンクして見れば同時にウィンクをしてくれる美少女の顔。
…なるほど。俺はこの"仕事"がどういうものであるかを理解した。
 

「入りますよ」

コンコン、とノックされ扉が開かれる。
そこには奥様と…もうひとりスーツを着た男がナヨナヨしたポーズで立っている。

「…俺が…いる?」

奥様がコクリ、とうなずく。
"俺"が深々と頭を下げる。

「あの…こんなことをお願いしてすいません。でも…お願いいたします」

俺に依頼された仕事。
それは"娘"と入れ替わり、"娘"として高校生活を全うする事、だった。


-続かない-

1 件のコメント:

  1. 半年~の住み込みというと、永遠の可能性もありますね、いいかもしれない!?

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