2019/03/12

入れ替え授業

 >スケベな男子たちとそんなスケベなのが理解できず気に入らず五月蝿く言ってエロ本とかを取り上げてた委員長と友人が入れ替わって、男の体で身を以て悶々とする日々のなか、自分たちの体に「じゃーん下に着てたのは競泳水着でした」スカート捲り上げてからかわれる話
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「ほら、ちゃんと膝閉じてー!」
「お、おう…こうか?」
「そうそう。気を抜いちゃだめよ」

「髪の毛うっとおしいな」
「ちょっとまって、結んだげる」
「あ、ありがとう…」

「お腹痛いんだけど…」
「3日目だからもう終わると思うよ。タイミング悪くてごめんね」
「しょうがないけどさー、うう」

クラスはざわめきに包まれている。
女子と男子が1ペアでお互いなにやらレクチャーをしあっている。

「うっわ、上村…これスカート短すぎねえ?」
「ちょ…ちょっとまって!」

ガタイのよい体格をした男の子が、小柄な女の子が自分のスカートをめくろうとしているのを止めようとしている。

入れ替え授業。
中学の2年目だけに行われる、自分ではない他人を経験することで思いやりの心を育無事を目的とした教育授業の一環である。
毎月1回、1週間の間クラスの誰かとお互いの身体を入れ替えるのだ。

今回で4回目の体験となる。
今まで同性ばかりだった入れ替わりも今回初めて異性と交換することになった。
この授業に慣れてきた生徒も、初の異性の身体に大慌てだ。

「ナヨナヨした身体だなあ。なあ上村、1週間筋トレしてもいい?」
「だ、駄目…!ご飯も食べすぎないでね…?」
「そうかあ。でも俺の身体はちゃんと鍛えておいてくれよな。ほらコレメニュー」
「ロシアンツイスト…?レッグレイズ…?わかんないよう」

入れ替わった中身が誰なのかは胸につけた顔写真付きの名札でわかるようになっている。
どうやらクラス1の堅物生真面目な委員長は、クラス1のスケベ男子と入れ替わっているようだ。

「…猿島君…わかってるでしょうね」
「わかってるわかってるって」
「ああ、もう最悪よ…なんでよりにもよってアンタなの…」
「信用ないなあ。僕は傷ついちゃったよ…」
「信用されたかったらまずはその右手を離しなさい…!」

右手はセーラー服の上から委員長の大きな胸をグニグニと鷲掴みにしていたのだった。

「おっと、ごめんごめん」
「…次やったら先生に言うわよ」
「ソレは困るなあ」

入れ替え体験では相手を最大限に尊重する必要がある。
他人の身体を預かる為に厳しいルールのもとで運用されている。
もし期間中に問題を起こせば、家畜や小動物の身体と交換させられ罰を受けることになるのだ。

「…今すぐにでも言いたい気分よ。ホント最悪」
「そんな委員長も僕の身体をあまり触らないでほしいなあ」
「…触るわけ無いでしょ!」

まだまだ教室のざわめきは収まりそうもない。

---

翌日。

「おっはよー」

すごい明るい陽気な声が教室に響く。
スキップをする勢いで入ってきたのは委員長…の身体を使っている猿島だ。
いつものクールで聡明な雰囲気を醸し出している委員長とは180度違う、どこか間の抜けた…良く言うなら天真爛漫に見える。

「お前そんなスカート短くして…。委員長がブチ切れるぞ」
「そっかなー?可愛いと思うんだけど」

教壇の前に立って綺麗な太ももをクラスメイト全員に見せつけるようなポーズをとる。校則を守って膝下スカートだった委員長の普段見せることのない部位。陸上部で鍛えて程よくついた筋肉はその脚を美脚として飾り立てている。
その膝上20cmほどのスカートの裾からちらりと見えそうな…

「さ~る~し~ま~」

猿島の身体を使ってる委員長に見つかり、耳を引っ張って廊下へ連れ出されていく。

「あーあ、言わんこっちゃない」
「猿島も懲りないよな」

「それよりどうよ、その身体」
「あーそうだなあ。やっぱちょっと頼りない感じはするよな。カバン重く感じるし」
「だよなあ。ブラジャーとか制服とかなんか付けるの面倒だし」
「知ってるか?シャツを脱ぐ時は腕をクロスして脱がないといけないんだぜ」
「ああ、おばさんに怒られたよ俺も」

身体を入れ替えている期間中は、身体に合わせた自宅に帰ることになっている。
家族は皆もちろん入れ替わりのことは把握している。
そのため家族であり、お客さんのような待遇をうける。どこの家族も見栄を張りたいものなのだ。

「で、次の授業の体育はアレだろ…?」
「ああ…」
「あまり見ないでほしいって言われてるけど難しいよな」
「どうやって見ずに着替えろっていうんだよ。っていうか昨日既に風呂入ってるし」
「それな」

4月から4回目の入れ替わりということで今は7月。
夏真っ盛りの中でやる体育と言えば水泳。
普段来ている衣服を脱ぎ捨て、身体を覆う薄い布1枚の状態で泳ぐのだ。

男子は普段…いや下手すれば一生着ることがなかったはずのワンピース型の水着を着ることになり、女子はビキニの下だけの状態で泳ぐことになる。

「おいおい、何の話をしてんだー?」

委員長…いや猿島が割って入ってくる。
スカートは短いまま、そして委員長の姿が見えないところを見るとどうやら走り回った挙げ句巻いてきたようだ。

「いやはや委員長の身体はすっごいね。陸上部だっけ。はやいのなんのって」
「というかお前の身体が貧弱すぎるんじゃないの」
「それもあるよなー。100m、下から数えたほうが早いもん」

健康診断でもやせすぎ、と言われた猿島の身体はいくらアスリートだった委員長でもまともに動かせるものではないだろう。
ゼェゼェと息を切らしながら委員長が戻ってきた。

「それによー。今日の体育楽しみすぎてさー。着てきちゃったんだよね。ホラ」

スカートをぴらりとめくる。
会話をしていた2人も身体は女子ではあるが、中身は男子。
目の前の美少女が取った突飛な行動に目が離せなくなる。

スカートの下から現れたのは紺色の…水着。
だが、スクール水着にしてはカットが鋭い。

「キャアアア!?」

オカマのような裏声の叫び声が教室に木霊する。
もちろん出処は委員長だ。

「ってそれ競泳水着じゃねえかよ」
「それがさー。スク水見つかんなくって。ちょっと探したら出てきたからこれでいいかなって」
「あ、あ、あ、あんた、私の部屋漁ったの!?」
「なんだよ、忘れ物するよりはいいだろ?」
「よくない!!っていうかスカートおろして…!」
「おっと、失敬失敬」

クラス中の注目を浴びてしまったので委員長の顔は真っ赤になっている。

「っていうか小学生じゃないんだから、家から着てくるなんてありえないでしょ」
「いやー我慢できなくてつい。それに下着を着なくてもいいから楽でさー。全身ピッタリと抑え込まれてる感じにはちょっと慣れないけど」
「…下着?はっ、あんた着替えの下着、持ってきてるわよね!?」
「あー…。いっけね」
「あんたねええええ!」

委員長がついにキレたのか、右ストレートが委員長へ向かう。
だが、抜群の運動神経と動体視力を持った委員長の身体は、身体を僅かにずらしてそのパンチを綺麗に交わす。

「なんてね。ちゃんと持って来てるさ。ほら」

水泳用具を入れる袋から水色のペアの下着を取り出した。

「ば、ばかっ。見せなくていいって!」

再びゲンコツが飛ぶがもちろん当たらない。
そのまま踊るように委員長の身体は教室から出ていった。

「じゃあ、プールで会おうねえ」
「おっといけね、俺たちも行かないと遅れちまう」
「そだな」

ぞろぞろと女子達(中身は男子)が更衣室へ向かう。
心なしか足取りが軽い…というか早いのは気のせいだろうか。

「ああ、もう…。こんなのがあと4日も続くの…?」

自分の身体の暴走を抑えることができない非力な身体に押し込められた委員長は、始まったばかりの入れ替わり体験に軽い絶望を感じるのだった。






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