Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2019/01/17

ぬいぐるみは動かない

 シチュを思いついたものの、先の展開が微妙だったので短編としてあげます。

 


今日も暇だな…。
俺はぼんやりと公園のベンチに座り、朝忙しく通勤、通学する人の流れを見ている。
働きもせず、定住を持たない俺を見る目は周囲の冷たく、俺をいないもののように扱う。

(そろそろこの生活も飽きたし、次を探すか)

俺はのっそりと立ち上がる。
面白半分で始めた家なしの生活だがそろそろ限界だった。
冬も近づいてきて家がないのは辛い。

バス停でバスを待っている集団。
その中の1人に目をつけ、声をかけることにした。

「あの」
「………」

話しかけられた女子高生はスマホに目を向けたまま、こちらを見ることもない。
そして他の周りの人たちもジロリ、とこちらを見た後は一切こちらを見ない。
まあ無視するよな。俺でも関わりたくないから無視をする。
だが、それも無駄なのだ。俺の力の前では。

「あなたの代わり、私がやって差し上げますよ」

こう一言、いうだけで全てが変わるのだ。
スマホを操作していた手がピクリ、と止まる。
顔を上げこちらを見る女子高生。
その顔はなぜか嬉しそうだ。

「え、いいんですか?ありがとうございます」

深々と礼をする女子高生。
周囲の人たちは相変わらず無関心を決め込んでいる。

「ただここだとちょっと恥ずかしいから…君の家に案内してくれるかい?」
「はい、喜んで」

こちらです、と通学途中だったのにも関わらず帰宅を始める女子高生。
俺はその後をついていくだけだ。

ガチャリ。

「あら…紫苑…忘れ物でもしたの?」

母親らしき女性が玄関で掃除をしていた。
自分の娘を見て怪訝な顔をする。

「違うの、この方が私を代わりになってくれるんですって」

こちらを指され、俺は軽く礼をする。
みすぼらしい、異臭のする俺を見た母親だが、嫌な顔ひとつしないどころか、笑顔になり

「まあ、まあ。それはそれは。ありがとうございます」

先ほどとおなじように深々と礼をされる。
そして女子高生に自室まで案内されたのだった。

「じゃあ、脱いで」

俺は彼女に指示をする。

「…はい。でもどうしましょう」
「なにがだ?」
「私は、何を代わりにやればいいのでしょうか」
「ああ、それか」

俺は周囲を見回す。
部屋には女の子らしいぬいぐるみがいくつかあり、俺はそれを手に取る。

「じゃあこのクマのぬいぐるみで」
「…はい、わかりました」

女子高生は制服ではなく、自身のうなじ付近に手を伸ばす。
存在するはずのないジッパーがそこには付いていたのだ。
ジジジジ、と言う音と共に彼女の背中は肌からパックリと割れていく。

「あ、あ、あ…」

彼女は自分で自分を"脱いでいく"。
綺麗な肌に皺が寄っていき、スルスルと中身が出ていく。
彼女の中から出てきたのは小さな肌色の、野球ボールぐらいの物体だ。
俺はそれを拾い上げると、先ほどのぬいぐるみの背面に手を伸ばす。

ジジジジ、彼女とおなじようにぬいぐるみがぱっくりと割れる。
中身はなにもない。それはそうだ。ただのぬいぐるみだったのだから。

(これからは…違うけどな)

彼女の"中身"をぬいぐるみの中へ入れ、背面を閉じる。
これで彼女はこれから"ぬいぐるみ"として生きていくことになるのだ。

(ま、だからといってなにもできないけどな)

当たり前だ。目の前にあるのは既成品のぬいぐるみなのだから。
中に動くギミックがあるわけでもなく、ただただ部屋を飾り立てるだけのぬいぐるみなのだから。
だが、彼女自身もそれを疑問に思うことなく、ぬいぐるみを全うする。
閉じ込められた、とも自分自身を奪われてしまったと思うことない。
ただただ悠久に流れる時間を動けぬ身体で眺め続けるだけなのだ。
新しい自分の体が朽ち果てるまで。

(さて、それはそれとして)

床に折り重なるように彼女の身体を持ち上げる。
持ち主…中身がなくなった身体は、着る前の衣服のように力なく垂れている。

俺は背面を開き、彼女の身体へ自分の体を詰めていく。
男の身体では彼女の身体は包みきれるハズがないのだが、もちろん彼女の身体がやぶれるようなことはないのだ。
俺の身体が完全に入り込んだ時、目の前には先程の女子高生が立っていた。

「あ、あ、あー」

発声練習。
きれいなソプラノボイスが部屋に響く。

「よし…じゃあ元の体はお役御免ってことで」

背中からペッっと男の皮が吐き出される。
もともとよく知らないホームレスの身体だ。
そのホームレスの中身は…どこかの川に流してしまっているし、この臭い身体に戻る気はもうない。
俺はそれを丸めると、ゴミ箱へ投げ捨てた。

「さーてと、紫苑ちゃんだっけか。今日から俺が紫苑ちゃんをやってやるよ。ま、飽きるまでな…」

紫苑が入ったぬいぐるみを掴み、ポイッとベッドに放り投げる。
ベッドにうまくあたったものの、反動で弾んで床に転がる。

ぬいぐるみは動かない。これからも。ずっと。








(終 続きません)


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