Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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[9月の作品] 強制ダイエット / 転生症Booth
[10月の作品] 僕達兄妹には不思議な能力がある / 交通事故で日替わり憑依 Booth
[12月の作品] 名札バトルロイヤル Booth
[1月の作品] 実は人類は負けていました / 神様はいつもあなたのそばに Booth
[2月の作品]
健全な精神は健全な肉体に宿るべきBooth
[3月の作品]
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[4月の作品] クロス・ロード Booth
[5月の作品] 騎士団長がおてんば姫になって少し苦労するお話 Booth
[6月の作品] おやすみ
[7月の作品] 憧れの少女のすべてを奪い取った結果 Booth
[8月の作品] ある日を境に訪れた、身体だけが徐々に入れ替わっていくお話 Booth


Boostしてお買い上げいただいた支援者の方にはここで厚くお礼申し上げます。

2018/11/08

VR牧場体験(3)

(ープロフィール表示)

種族:豚
性別:雄
年齢:1.1歳
体長:92cm
体重:132Kg



 ーおかしい。
半年過ぎたというのにいまだ元の体に戻れる気配がない。
VRの中だとはいえ、人間の身体の感覚から半年も離れているとどうやって立って歩いていたのか、どうやって手や指で物を掴んでいたのか、忘れてしまいそうになる。
その間にも豚の身体は成長を続け、体重もかなり増えてきている。
まわりのクラスメイトも徐々に不安が広がっているのか、厩舎から出るのを渋ったり、柵を壊そうと体当たりをしたりといった行動をする動物が増えている。

ガチャリ。
豚小屋の扉が大きく開かれる。
どうやら清掃の時間のようだ。
いつもどおりに人が厩舎に入って掃除をしていく。
VRの中だというのに自動できれいになることはなく、人が片付けない限り汚れたままだ。

もしかしたら清掃の実習もVRの中でやっているのかもしれない。
…となるとこの人も、誰かが操作している可能性がある。

だが、その人はマスクとゴーグルをしているため顔を見ることができない。背丈やシルエットを見るに、同年代くらいの女性のようだが。VRの中とはいえ精巧なモデリングで、動きもちゃんとしている。

彼女は部屋に入って私が垂れ流した糞尿にまみれた藁の塊を道具を使ってすくい上げると、黙々と猫車に載せていく。
話しかけようにも言葉を発することはできないし、彼女はこちらを見ようともしないので意思の疎通をすることはできそうにもない。

…いつまでこのままなんだろうか。
自分が藁の寝床にや糞の匂いが気にならなくなってしまっている。
極端に短い手足も、その手足で四つん這いでしか歩けないことも、視点が低いことも。
そんな感覚に慣れて、本当に家畜になりつつ自分に限界が来ているのは確実だった。

ふと気がつくと、作業をしていた彼女はすでにいない。
糞尿が取り除かれ、水や藁が新しくなっているところを見るとすでに作業を終えているようだ。
だが、出入り口である柵の扉がきちんと閉められていない。

そこから抜け出して、この実習の担当の人に限界であることを訴えよう。
そんな気持ちになった私は扉の前に移動する。
右手を隙間に差し込もうとしたが、短すぎる手は自身の顔より前に出すことすらできない。私は軽くため息をつくと、前に伸びている豚鼻を差し込み、身体を滑り込ませていくことによって扉を開ける。
ぎいぎい、と軋む音がしたものの誰かが近寄ってくる気配はなく私は厩舎の外へ出ることに成功した。

さて、ここからどうするか。
私達が来たときに入ったのはあの牧場には似つかわしくない、近代的な建物だけだ。
あの建物は1Fが駐車場、2Fが入り口となっており、階段を登る必要がある。
だがこの身体では…人間では簡単に登れる段差ですら、昇ることが難しい可能性がある。

痛みも正確に反映するVRだ。
最上段近くから転げ落ちた時の痛みはいかほどのものか、想像するだけで恐ろしい。

(でも併設されているエレベーターは…)

呼び出しボタンも押せないし、仮にスキを見て乗ったとしても階数ボタンを押すことができない。
仕方ない。階段を登ろう。
1段1段、身体を持ち上げ、載せるようにして昇っていく。

ようやく2階の入り口へたどり着く。
幸い、入り口は自動扉だったので私がのそのそと近寄ることで反応して扉が開いた。

(すごい、VRだけど中もしっかりと作って…)

受付のカウンターや飾られた花や調度品が正確に再現されている。
…いやあれは。

(…え)

あれは、私達生徒たちの荷物ではないだろうか。
数多くのリュックサックやカバンがまとめて固めておいてある。
そんなものまでVRで再現する必要はないし、再現できるはずがない。

…まさか。
薄々感じていたことではある。
リアルすぎる世界、リアルな匂い、感触。
自分の状態を確認するために呼び出せるアバターメニューも、今の時代珍しいものではない。網膜投影型のアプリケーションなど山ほどあるのだ。

まさか。
この身体は本当の豚の…。

「ご明察ー」

 背後から若い女性の声がした。

 (な…なんで…)

全身で振り向いた視線の先には、信じられない人物が立っていたのだった。

「まあ、ここまで来てしまったのですから説明してあげましょう…説明を受けたとして何も変わることはないのですから」

「フゴッ…ッ!フガッ…!」

どうして、なぜそこに。
自分が豚であることも忘れて、そう叫ぼうとした口からは醜い鳴き声が発せられる。

 (わたしが…いるの…!)

そう、目の前にいたのは半年間見ることがなかった私の身体だった。
VR機器に繋がれて眠ったままのハズである私の身体が、私の意思とは別のなにかによって動かされている。

「VRだと思っていたけど実は…なんてタネをあかせばなんのことはないチャッチなトリックだけど…どこから説明しようかしら」

(いったい…誰なの)

私の、他人の身体を我が物のように使っているのは一体だれなのか。

「そうね、まず1つ目に、課外研修はもう終わっている、という事を伝えましょうか」

(…は?)

何を言っているのだろうか。
現に私はおろか、他のクラスメイトも家畜の身体で毎日を過ごしているはずだと言うのに。

「ふふ、私達はちゃんと学園の授業を受けさせていただいてますよ」

(…まさか)

私の身体を使うどころか、立場まで乗っ取り日常を過ごしているというのか。

「そして2つ目。私はあなたの身体を買わせていただきました。まあ全財産を費やしましたけども、まあ若返って人生を続けられる、となれば安い買い物ですね」

(買う…?)

「3年間この学校で新しい人生のことについて学び、卒業したら自由、という契約です」

(何を言っているの…)

 「わかりませんか?この牧場…いや学園は超富裕層に新しい若さ、人生を提供するために存在しているのですよ」













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