これは告白かもしれない、と期待を胸に指定された場所へ言ったのだが…。
「これなーんだ」
佐伯さんから見せられたのは町中を歩いているロングヘアにコート姿の少女の写真。
だが…。
「…な、なんのことかな」
「んふふ…化粧うまいじゃん晶くん」
「うっ…」
そう、それは休日に女装して出歩いていた俺の写真だった。
ウィッグもつけて化粧もしているのに…。
写真を見ても俺とはわからない、そんな完璧だったはずなのに。
「ま、確かに100人みたら100人全員わからないんじゃないかな。ま、私を除いて、だけど。私脚フェチでさー。なんか見たことある脚のシルエットだと思ったんだよねぇ」
体型がわからないような服を選び、脚もタイツを履いていたというのに。
「体育の時に見てたんだよね。晶くんは脚を手入れしてるなって」
「…で、こんなことしてなにがしたいんだ」
「ん?なにも?」
てっきり脅されると思っていた俺は拍子抜けをする。
「それどころか協力しようって思ってるよ」
「協…力…?」
「そ。例えば一緒に買い物行ったり、体格も似てるからお洋服も貸してあげたり」
買い物は基本通販にしている晶には喉から手が出るほど欲しい提案だった。
いつもは外出先で欲しい服があっても声を出すわけにもいかず、試着ができるわけでもなく、とぼとぼと帰ってからネットで探すのだが…女性モノの服は同じようなものを見つけることは難しい。
「バレるの恥ずかしいからマスクとかしてるんだろうけど、私と一緒に歩けば片方が男の子だなんて思わないだろうし」
「う…」
「それに…」
さらに数枚の写真を提示される。
これは先月の、これは先々週の…。
いつのまにこんなに写真を取られていたのか。
「普段、やっぱり体型を気にしてるでしょ。そこも解決してあげる」
「…どういうこと?」
「肩幅広いの隠すために緩い服ばっかり着てるんでしょ。タイトな服も着てみたい…そうじゃない?」
「…そうだけど」
「で、ご家族はご存知なの?」
「…知ってるというか。俺がこうなったのは家族のせいだし」
母と4歳年上の姉の3人ぐらし、父は幼い頃に出ていった。
当時、家計が苦かった家では衣服がお下がりになることがほとんどだった。
幼い頃からワンピースで過ごしていたので今更抵抗がない。
姉はすでに働きはじめて家を出ているので、今俺が持っている服はほとんど自分のお小遣いやバイト代で購入したものだ。
母はそんな俺を見ても「似合うねぇ」とか「かわいい」としか言わない。
「公認ならいろいろ楽だね」
「…ま、そうだけど。外では誰にも言ってないし誰にも言わないでほしいかな」
「うん、うんそれはもちろん」
「…、こんなことをして佐伯さんにどんなメリットがあるの?」
「私は楽しみたいだけ」
ニコリと笑う佐伯さん。
100%美少女の笑顔はとても眩しい。
「じゃ、とりあえず土曜日にお家いくね」
「え…あ、うん」
変なことになってきてしまった。
ーー
「じゃじゃーん」
「…なにこれ?」
俺の部屋には、佐伯さんと俺の2人。
土曜日の朝一に佐伯さんは両手に袋を抱えてやってきた。
佐伯さんが袋から取り出したのはデニムのショートパンツ。
「…これは無理だよ」
女性のように膨らんだヒップががないので後ろが余りがちになり、さらに前が窮屈にでどうしても膨らみが目立ってしまう。
「んふふ…じゃあこれを着たらどうかな?」
佐伯さんが更に取り出したのは肌色のパンツのようなもの。
いや、パンツにしては重量感がある。
2つの大きなハリのある塊がヒップ部分に張り付いていている。
ネットで見たことがある。
「女性のシリコンヒップ…?」
「そそ。まあ、ただの市販品とはちょっと違うんだけどね」
「?」
「まあ、とりあえず履いてみてよ。あ、素肌から直接でいいよ」
手渡されたヒップはずしりとした重量感がある。
尻肉の部分が大きく突き出してプルプルと揺れている。
「佐伯さん、見られているとちょっと」
「あ、そうかごめんね。後ろ向いてるね」
くるりと背中を向ける佐伯さん。
そのさりげない動作に、実は部屋から出ていって欲しいとは言えず俺も同じく佐伯さんに背を向け渋々ズボンとパンツを脱ぐ。
両手でシリコンを持ち上げ、表裏を確認する。
表側は女性特有の形をしているが、どうみても男性のアレを隠せるような余裕がない作りになっている。
(どうやってももっこりしちゃうんじゃないかな)
どう抑え込んでも一度勃起してしまえばいびつなシルエットになりそうな気がするが…
まあ履いてみるか。
ひんやりとしたシリコンの感触が脚を通っていく。
恐らくこのへんだろう、というところまでシリコンを上げる。
その姿勢のまましばらくすると肌とシリコンの間にあった空気がシュッと空気が抜けて密着していく。
姿見を見ると股間には何もついていない、そしてお尻は大きく膨らんでいる。
「お…おお?」
「あ、つけ終わった?」
音を聞いて佐伯さんがこちらを向き直る。
「ちょ…ちょっと!」
「大丈夫大丈夫」
そういうと佐伯さんが俺のお尻あたりを触り始める。
「く…くすぐったいよ、佐伯さん…ってえ?」
シリコンの上から触られているはずなのに直に触られたようなこそばゆい感触。
「どう?すごいでしょ」
「いったいどうなってるんだ…これ?」
不思議な感覚だ。
自分の身体のような感覚。
巨大なお尻があたかも自分のものであるかのように感じる。
「欧米系の女性のお尻をイメージしてるからちょっと日本人離れしてるけど、いい感じじゃない」
ツン、と突き出したお尻は健康的でしっかり鍛えている感じを醸し出している。
立ったままでもお尻の上に小物が置けるぐらいに大きく突き出ている。
パンパン、と佐伯さんが尻肉を叩くとプルプルと震える感触までもが再現された。
股間もまるではじめから何もなかったかのような…だがシリコンの下には自身の息子の存在を感じることができた…かなり圧迫されているのだが苦しい、ということはない。
「すごい…本当に自分のお尻みたいだ」
「じゃ、これはいてみて」
先程のデニムのショートパンツが渡される。
…これなら。
ドキドキと大きく鼓動する心臓。
佐伯さんから受け取ったパンツを履こうとする。
「あ、しまった。これも履いて」
佐伯さんはうっかりしていた、とばかりに小さな布を渡される。
「…これは」
ショーツだ。
姉弟で衣服は融通していたが下着はさすがにちゃんと買い与えられていた。
一度だけ、魔が差して履いたことがあるのだがどうしても股間の…特に2つの玉が布の中に収まらず諦めていたのだった。
小さなショーツをゆっくりと足に通し、上にあげていく。
お尻に到達しても尚、ぐぐっと伸びていく布地。
腰まであげたショーツはすっぽりと大きなお尻を包み込み、股間にスッキリとフィットした。
隙間なく肌を覆う感覚で俺のシリコンの下の息子が大きく膨張する。
…が、外界にその存在は一切出てこない。
(これ…すごい…)
「さ、次はこれ」
「う、うん…」
ショートパンツも同じようにあげていく。
大きすぎるお尻がつっかえるような感覚があったが、少し力を入れるとスルっとデニムの中にお知りの肉が収まった。
「わ、やっぱり似合うね」
鏡を見るとお尻に目がいく体型をした人が立っている。
男物のシャツにデニムショートパンツという格好だけでも十分に女性っぽいシルエットに見えるのはやはりお尻の形のおかげだろうか。
お尻が大きいせいで腰が相対的に細く見えるせいかもしれない。
「やっぱり顔つきが元から女の子っぽいからかな?もう女の子っぽいよね」
「う…うん」
「あは、だいぶ素直になってきたね。いいよいいよ」
鏡の前でくるくると周り自分のお尻を眺める。
「こ、このお尻とか、どういう仕組なの?」
「うーん、詳しくは言えないけど、元の体型を完璧に隠しちゃう特別な技術が使われているんだよー」
「で、でも触られた感触とか…」
まるで最初から自分がこの体型だった、と思ってしまうようなリアルな感触。
果たしてどんな技術を使えばこんなことができるのか。
いや…考えるのはやめよう、いまは…楽しみたい。
「さーて、お次はどれがいい?」
「次って…?お…う…わぁ」
佐伯さんが袋から取り出したのはいくつかの肌色の塊。
おへそが見えるアレは恐らく腰だ…キュッとしたくびれが目につく。
ふっくらとしてキレイにスラリと伸びた長い2つの塊は恐らく脚。
そして見るだけでわかる女性の肩…と乳房部分。細く顕著なクビと肩のライン、そこから下にソフトボールのようにキレイに膨らんだ頂点にはピンク色の突起がついている。
「さ、晶くん…。どれから着たい?」
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