Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2018/09/13

身体だけ奪われたわたし


学校帰りにいつも、どこからか視線を感じていた。
警察や教師に相談して見回りをしてもらったり、友たちと一緒に帰る等対策はした。
だがどこから監視しているのか、わたしが一人になると決まって見られているという感覚が蘇る。

そしてついに、わたしの前にやつが姿を表したのだった。
塾の帰り、いつもは親に送ってもらっていたのに。
今日に限っては親が不在でバスで帰ることにしたのが悔やまれる。

大通りでも感じる視線。
背後から近づいてくる足跡。
わたしは焦って交番へ最短距離の小さな道へ駆け込む。
…それが悪手だったのか。

なぜか前方から感じる人の気配。
わたしはパニックに陥り、さらに人がいない道へ道へと逃げ込み、とうとう行き止まりに。
壁を背にしたわたしの眼の前に現れたのは、年は50ほどの中年太り…というには言葉が負けてしまうような、太って脂ぎった…背広を着た、頭髪のない男だった。

そして男がなにかつぶやいたかと思うと、わたしの視線は一瞬で切り替わり…
眼の前には袋小路に追い詰められているのにニヤリとほくそ笑む、わたしの姿があるのだった。

「…な…なんで」

ずっしりとした重みを感じる身体。
全身からにじみ出る汗とそこから発するすえたような匂いが鼻にまとわりつく。

「おっと、騒がないほうがいい」

パッパッとスカートについたホコリを払う仕草をしながら、自身の姿を確認するかのようにくるくると身体を回しながら忠告してくる。

「今、騒げば…逮捕されるのはどっちかわかるよな?」

原理はわからず、未だに混乱はしているが
お互いの身体が入れ替わってしまったのだ、ということだけはわかる。
先程まで追い詰められていたはずのわたしが、逆に目の前の女生徒を追い込んでいる立場になってしまっている。

「な…なにをしたの、これ」

口から発せられるのは太く、低くしゃがれた声。
口内は粘ついており、口内を動かすたびにくちゃくちゃとした音が発せられる。

「わかるだろ?身体を入れ替えたのさ。得体の知れないばーさんにもらった道具のうちの1つだ」

"わたし"はそういうと壁際においてあったゴミ箱をあさりだし、そこからビニールにくるまれた荷物を取り出す。

「い…入れ替えたって」
「わかんないか?今の俺は紗耶香ちゃんで、お前は俺ってわけだ」

…わたしの名前を知っている。

「…いままでわたしをつけまわしてたのも…あなたなのね」
「そうだよ。今日というタイミングが来るのを待ちながらな」
「そんな…」

身体が入れ替わる。
ドラマ、アニメ、小説では見たことがある。
自分がそんなことになったら、なんて想像したこともある。
まさか現実にそんな事が起きるなんて。

「…わたしに成り代わる、ってこと?」
「お、ずいぶんと察しがいいんだな。まあちょっと違うけどな」

違う…?

「俺は別にお前の立場が羨ましいわけじゃあない。女生徒として学校にまた通いたいわけでもない。お前の家にも興味なんてない。お前の容姿だけほしいんだ」

わたしの姿を奪った男は言葉を続ける。

「調べりゃすぐわかるが、俺はそんなナリをしているが上場企業の役員だ。まあ…独身ではあるが裕福なんだ。今の生活を失いたくはない」

「だがある日見かけたお前の姿に一目惚れ、というのが正しいかはわからないが。欲しい、自由に好き勝手したい、そう思った。…だが、さっき言ったが俺は1人でいるのが好きなんだよ。人をさらって大事にもしたくない。…だから次に使うのはこの道具さ」

ビニールの中から取り出したのは
1枚の名札。そこにはこの男の名前…だろうか。
フルネームで土肥信吾、とマジックで書かれていた。

名札の裏のシールを剥がすと、ペタリと自分のセーラー服の上に貼り付ける。
名札は薄っすらと溶けていくかのように透けていく。
それはあっというまに目に見えなくなってしまった。
一体なんなのだろう。

「これはなぁ。立場変換シールってやつだ。周りの人間からはシールに書かれた名前の人間として扱われるってわけだな」
「…え?」
「さて、質問をしてみよう。俺は誰に見える?」

誰に…ってそんなの。
わたしの姿を奪っておいて。

「土肥信吾にしか…ってあれ!?」

おかしい。
セーラー服を着ているはずなのに。
スカートから太ももを見せつけているのに。
ローファーを履いているのに。
見た目はどうみても…わたしだったはずなのに。

今はどう見ても社会人の…男性にしか見えない。
いや、違う。脳が混乱している。
眼の前の人はわたしのハズで…。

「ふふふ、目の前で変化を見ているから混乱が生じているかな…?まあしばらくすれば街ですれ違ってもなんとも思わなくなるはずさ」
「そ、そんな…」
「さて、もう1つ質問だ。…お前は誰の姿をしている?」
「わ、わたし…?」

見た目は土肥信吾という男のもののはずで…。あれ、土肥信吾は目の前にいる。
あれ…あれ…?

「そう、土肥信吾という立場は俺が取り返した。立場を奪われたお前はいまは世の中には存在しない得体の知れない男の姿をしている、ということになるのさ」
「……」

理解が追いつかない。
わたしは身体を奪われた挙げ句、何も持たない男にされてしまった…ということか。

「だが先程も言ったとおり俺は大事にするつもりはない。お前も元の生活に戻れるようにしてやるさ」

まさか、わたしにも同じように名札を貼るつもりなのか。
中年男性の姿をしながら、セーラー服を着て学校を通う姿を想像して吐きそうになる。

「安心しな。それよりはマシだからな」

そう言うと彼はビニールの中から錠剤を取り出し、それを飲み干した。

「さて…そろそろだな」

数分の沈黙の後、彼はなんと制服を脱ぎだす。
くわたしを他所に、彼はスカートも、下着も全て脱ぎ去り、真っ裸となった。

「なっ…」

すると、彼の身体の肌にハリが無くなっていったかと思うと皺が寄る。
全身に皺が入ったかと思うと、パリ…という音とともに背中から彼が脱皮するかのように現れた。
彼は手早く自身にまとわりつく皮から抜け出し、その脱皮した皮をこちらへ見せつける。

「この皮は魔法の皮さ。着込めば中身の大きさに関わらず元の身体と瓜二つになれるという不思議な皮だ。これを着れば君は元の生活に戻ることができる」

彼はビニールの中からわたしのサイズと同じスーツを取り出し、それを着ていく。
ビニールの中はもう空っぽのようだ。

新卒の新入女性社員のような出で立ちとなった彼は、皮を脱ぎ散らかされた制服の上にそっと置く。

「じゃあな」

そういうとわたしの足元に落ちていたビジネス鞄をひょい、と拾い上げ去っていく。

「ちょ、ま…まって…」

追いかけようとするが彼が指を指した先にはわたしのカバンや制服…そして皮。
慌ててそちらへ走り荷物を拾い上げる。

「ぜぇ…ぜぇ…」

数m走っただけなのに全身が疲労感に包まれ、これ以上走るのが難しい。
息を切らせながらも追いかけようと振り返ったとき、そこにはもう彼の姿はなかった。
どれほど呆然としていただろうか。
このままでいるわけにもいかず、彼の置いていった皮をじっくりと眺める。

"着込めば中身の大きさに関わらず瓜二つになれる"

身体を奪う道具や立場を書き換えられる道具があるのであればそんな皮があってもなんら不思議ではない。
わたしは覚悟を決めてスーツを着たまま、皮の背中からぱっくりと割れた隙間へ、足、手を入れていく。
たっぷりと肉が乗った身体が皮に包まれるとシュン、という縮む感覚と共に皮がピタリと張り付いていく。

「ぐっ…」

ギチギチと締め付ける皮へ巨体を滑り込ませていく。
ようやく全身をなんとかすべて皮の中へ入れ込むことに成功した。
頭や出っ張ったお腹が、皮にぎゅっと圧縮される。

「…も…戻った…?」

口から出たのはわたしの声。
ホッとしながら落ちている制服のポケットから手鏡を取り出し顔を覗き込む。
そこには見慣れたわたしの顔が映っていた。

身体を見下ろす。
裸ではあるが普段見慣れている自分の身体だ。
だが…。

(皮の中で…あの男の身体が…)

そう、見た目は小さく出来ても中身が減っているわけではないようだ。
身体は酷く重たく感じるままだった。
たるんだお腹や股間の感覚はそのまま皮の中で感じることができてしまう。

皮の中で男の体から滝のように流れ出る汗。
皮の外には一切現れはしないものの、不快感が身体を覆う。

(暑い…、脱ぎたい、でも)

脱げばあの姿になってしまう。
わたしは我慢するしかない。
わたしはフラフラ朦朧としながらも、落ちている制服を着込むのだった。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

「た…ただいま」

恐る恐る自宅の扉をくぐる。
見た目や声がわたしになっているはず、と思いつつももし中身がバレてしまったら、という恐怖で声が小さくなる。
いや、真の中身はわたし本人なのだ。
なのに。

もし皮であることが見抜かれ、その中身がバレてしまったらどうなるか。
わたしがわたしであることなど証明ができない。
皮の中身はハゲでデブな正体不明の中年の男なのだ。
そして…それが今のわたしの本当の姿。

「あら、おかえりなさい。ちょっと遅かったわね」
「あ…う、うん。バスが遅れちゃって」
「そう、もう少しでご飯ができるから、先にお風呂はいっちゃいなさい」
「わ、わかった」

どうやら皮の効果は本物のようだ。自分ソックリになれている。
わたしはひとまず現状の維持ができることにホッとした。

着替えを持ってお風呂へ入る。
シャワーで身体を流すのだが…

(ああ、やっぱり)

どれだけキレイに流そうと、身体にまとわりつくベタベタとした気持ち悪さは解消されない。
そう、皮の中で流れ出る汗は洗い流すことができない。
いっその事気にせずにこのまま着続ければそのうち慣れるのかもしれないが…。

(もし、汚れとかで皮が…)

そう、流れた汗や汚れのせいで表側に影響がでないとも限らない。
破れたりしてしまえばわたしの生活はそこで終わってしまう。
わたしは背中にあるはずの皮の裂け目を探す。

(…あれ、ない…?)

そういえば歩いている間も皮の隙間があるようには感じなかった。
が、脱ぎたい、と思った瞬間にググ、っと皮と身体の間に隙間ができるのを感じた。
どうやら意思を持つことで脱ぎ着が可能になるようだ。

ズルズル…とタイトな服を脱ぐかのように皮から身体を引っ張り出していく。
皮から離れた身体は圧力から開放されて肉が膨張するように弾け膨らむ。
皮がべチャリと地面に落ちた時、風呂場には先程見た中年の男が立っているのだった。

(…お母さんが来る前に洗って…また皮を着れば大丈夫…)

お風呂場と洗面所そして台所を隔てる2枚の扉。
その向こうから聞こえてくる音にビクビクしつつ、身体を洗い始める。

3段…いやソレ以上に重なる腹の肉をつまむように持ち、隙間をゴシゴシと洗う。
太い手は背中に手が回らない。
股間にぶら下がる棒には触れたくない。
わたしは目を瞑りながら、洗えるところだけを徹底的に洗う。
わずかな時間だったはずだが、物凄い時間が立ったかのように感じる。
洗い終えたわたしは脱ぎ捨てた皮を拾い上げ、再びその中へ潜り込む。
数分後、元の姿になったわたしは再度自分の身体を洗うのだった。

「ずいぶんと行水ね。ちゃんと洗わなきゃだめよ?」
「洗ったよ…」

手早く上がりすぎたために母親からたしなめられる。
わたしにはそんなことよりも姿がバレやしないか、という恐怖しかなかった。

トイレも困ったことになった。
なにせ感覚は中の身体のままなのだ。
大きく膨張した股間はギチギチの皮の中でもその存在感を主張する。
幸いにも皮の外にその見た目が現れることはなかったが、股間に何かが集中する感覚に私は大いに困惑した。

トイレに入り、念入りに鍵がかかっていることを確認する。
…脱いだほうがいいのかもしれないが脱ぎ着にはどうしても数分程要してしまう。
私は我慢できずにそのまま便器に座り、いつもどおりに用をたそうとする。

…がいつもどおりとはいかなかった。
皮とお腹の間に挟まれた男性のものから勢いよく飛び出る。
そう、あくまで皮は皮なのである。
とにかく、皮と身体の隙間を通るようにして水分は皮の股間部分にたどり着く。
そこから漏れ出るようにボタボタ…と垂れたのだった。

(う…お尻の穴からも…?)

そう、穴が空いているのは2箇所。
皮の中で出された溜まった水分はそこから容赦なく垂れて出ていくのだった。


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

夕飯も食べ終え、自室で1人ベッドに腰掛けるわたし。
これからのことを考えると気持ちが沈んでいく。
いつまでこんな生活をしていかなければいけないのか。
皮が破れたり壊れたりすることはないのか。
…このまま成長はしないのか。

あの男は父親より老けてみえた。少なくとも50は超えているのだろう。
わたしの寿命は…?
そう考えると、30年…?いや身体の衰えはどうなのか。

皮を着ているとはいえ身体能力は中身のままだ。
少しでも走れば息が切れる。華奢な少女の見た目なのに体重はその2-3倍はある。
10年、20年としないうちにもしかしたら歩行が困難になるかもしれない。





わたしはスマホで検索をする。

土肥信吾。

すぐに見つかった。
企業のサイトの企業概要のページ。
代表取締役と書かれた文字と共に映っているのは…わたしと同じ顔をした男の写真だった。
あの男は自分の生活を気に入っている感じだった。
このままどこかへ雲隠れするということはないだろう。

「得体の知れない老婆にもらった…って言ってたっけ」

不思議な道具を取り出したときに言っていたセリフ。
同じような道具…。それらが手に入れば身体を取り戻すことができるかもしれない。
老婆。見つかるかどうかわからないが、探すしかない。

「覚えてなさい…この苦しみ、何倍にして返してやる」

わたしは覚悟を決めた。



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