Author : danna (だんな) / danna_story
状態変化、TSF、獣化の片隅にひっそり生きてます。
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2018/09/11

取扱変更届(4)

翌日。

今日は昨日行けなかった幼稚園へ通うことになっている。
幼稚園の方には事情を伝えてあり、子供たちと混ざってもいいし、見学という立ち位置でいてもらっても構わない、と言われている。
一方で身体に起きる問題(率直に言うとトイレや食事)に関しては管理上の都合で園児たちと同じものを一緒に取ってほしい、とのことだった。
子供たちを預かる上でのルールや条例などがあるらしい。



そもそも悠は2歳のため、幼稚園へはまだ通っていない。
とはいえ後数ヶ月で満3歳から、という条件を満たすためプレ体験という形で私が入ることになったのだ。
とはいえ、私もかつて同じ幼稚園に通っていたので再入園、といったほうが正しいかもしれない。小学校、中学校、高校の次が幼稚園。
考えるだけで頭が痛くなる。

ちなみに"私"に入った悠は幼稚園へ通うことはできないそうだ
今回の件で国が特別に設置した専門機関が預かることになったとか。
中身が2才児とはいえ体格や力が大人の女性なので他の子たちと一緒に遊ぶことで危険だ、という判断らしい。

(悠の代わりに通わないと行けない…のもなんか嫌だなあ)

そういえば最近悠とは会っていない。
先日は高校へ行ってたし、悠自身も検査のために病院へ行っていたり。
お互いが家にいるときも、悠が私に興味を持ってしまうと私に危険が及ぶために両親や久遠が意図的に遠ざけてくれている。

…まあ自分自身が幼い行動をしているのを見るのが辛いというのもあるが。
久遠に悠の様子を聞いたときも、その辺りを考えてくれているのかあまり詳しくは説明してくれなくなった。

「…で、この格好をしなきゃダメなのね」
「うーん、そうだね。一応見学とはいってもプレ体験だからね」

鏡の前には 明るい黄色のスモックを着込んだ悠が映っている。
遠い昔に着たことがある制服。もう二度と着ることもないと思っていたのに。
私も専門機関で過ごしたほうがまだマシかも、と思う。
その選択肢も取れるのかあとで久遠に聞こっと。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

「じゃあ、よろしくおねがいします」
「はい、ではお預かりします」

久遠がペコリと園長先生に向かって礼をする。
園長先生は私や久遠がお世話になっていたときからずっといるおばあちゃん先生だ。
当然私の記憶からさらに一回り年を取っていたが、やさしさに満ちた笑顔には安心させられた。

「永遠ちゃんがまた来ることになっちゃうとはねえ…」
「あはは…すいません」

卒園して巣立っていったはずの教え子がまた戻って来る、その時の気持ちはどんなものなのか。
私は懐かしさより恥ずかしいが勝っているけどね。

「お姉ちゃん。夕方にはお迎えにくるから、それまで頑張ってね」
「はいはい…」

子供扱いしないでほしい、と思ったが昨日の出来事や今の姿からその発言をするのは若干抵抗があったので適当に返事をする。
久遠は再度園長先生に向かって軽く礼をすると、中学の制服のスカートを翻して学校の方へ駆けていった。
私はその後ろ姿を見てなんとも言えない気持ちになる。

もし取扱変更届で見た目どおりに扱いにしたとすると。
これから数年かけて再び卒園して、小学校にまた入学して6年。
そしてやっと久遠と同じ制服を着ることができて…

…元の年齢に育つまで10年以上。
そのころには久遠はもう成人していて、もしかしたら結婚もしていて。
…遠くに行っちゃったなあ。いや、私が遠ざかったのか。

「さ、永遠ちゃん。中に入りましょ」
「あ、はい」

園長先生に手を差し伸べられ、私はおずおずと手を握る。
記憶にあるその手は、より一層のシワが刻まれてはいたけれど、やさしく温かいおばあちゃん先生の手のままだった。


わーわーと騒がしい園内。
保育士達の前で軽い紹介があった後、私は園児の群れの中に放り込まれた。
自由にして良いということだったが職員室から見学できる、とか教室の後ろで座っていて良い、ということではないようだ。
…まあもし通うことになったら、という意味ではこちらのほうがいいかもしれない。


大きな窓から運動場が見える。
そこで鬼ごっこをしているのは5歳ぐらいの園児だろうか。
今の私から見れば、一回りも二回りも大きな子たちだ。
後ろ…教室の中を振り返ればそこには私と同じぐらいの子達が座ってそれぞれ自由に、積み木や人形で遊んでいる。
…それでもこの子達は3歳ということで私より年上になるのか。

斜に構えているわけではないが、やはり幼稚な遊びに興じるのは高校生のプライドというものが許さない。
頭の中は高校生の知識が入っているのだ。

(10年間無為に過ごすよりは今の知識量と年齢のギャップを活かすべきかしら)

せっかくの勉強を無駄にすることもないだろう。
参考書やノートを持ち込んで勉強させてもらってもいいかもしれない。
もしかしたら飛び級とかできるかも。
小学生ぐらいになれば海外では大学に入れることもあるかもしれない。

(そうだ、そうしよう)

ふと、目の前の積み木で遊んでいる子と目が合う。
向こうはこちらに興味をもったのか、拙い手で積み木を持ち上げ、こちらに差し出してきた。

(いっしょに…遊ぼうってこと?)

男の子だろうか。
こちらをじっと見ている。
反応を伺っているのか、首をかしげる仕草がちょっとかわいい。

(まあ今日は…勉強の準備もないし)

面倒を見てやろう、という気になったのかもしれない。
決して彼の持っている積み木が魅力的に映ったわけではない…はずだ。
私は彼から積み木を受け取る。
ニコリと笑った彼は私の腕を引っ張ると、彼が積み上げていた積み木のところまで連れて行く。
私は彼と一緒にその場に座ると一緒に積み木のお城を築き上げ始めた。



(はっ…!?)

気がつけば空は赤くなっていた。
積み木であそんだ後は運動場の脇に設置された砂場で遊び、
教室に戻ってから折り紙で遊び…ご飯を食べた後はお昼寝をして…。

我に返ったときは既に夕暮れであった。
ちらほらとお迎えのお母さんたちと一緒に返っていく園児たちが見える。

「永遠ちゃん、今日はどうだったかしら」
「あ…あーえっと」
「楽しかった?」
「え…う、あ…ま、まあそれなりに」
「そう」

優しい声をかけてくれる園長先生。
取り繕って答えはしたが、記憶があやふやになるほど、時間があっという間に過ぎるほど熱中していた、とは答えにくい。

「本当、永遠ちゃんが戻ってきた、と思ったぐらいに…懐かしかったわってこんなこと言ったら失礼よね」
「い、いえ…そんなことは」
「覚えてる?昔永遠ちゃんが…」

久遠が迎えに来るまで、園長先生が昔起きた事件や出来事を懐かしむように話してくれた。


「お姉ちゃん、どうだった?」
「まあまあ…かな」
「そう…」

久遠は悲しそうな顔をする。
高校には馴染めなかったのに、幼稚園には馴染めてしまった
素直に喜べることではない。

「久遠、私も専門機関で過ごせないかな?」
「悠みたいに?」
「うん、この身体じゃ高校生と同じことはできないけど、いままで積み上げてきた勉強があるんだもの、また小学校や中学校の勉強をするなんて無駄だわ」
「……そうだね、お母さんに相談してみるよ」

少し返事が詰まった久遠。
だがその時の久遠が考えていたことに私は気がつけなかった。



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