2018/09/25

ギルド職員の失踪

城塞都市。

王都から歩いて10日程、他国との国境付近にあるこの都市は流通の要であると共に他国からの侵入に対して監視、防御する役目を担っている。

城塞、というだけあって街と軍事拠点を大きな城壁が囲うようにして建造されており、4箇所ある外門を通らずして街に出入りすることは不可能である。
が、近頃その街の中で不思議な事件が多発しているのであった。

2018/09/13

身体だけ奪われたわたし


学校帰りにいつも、どこからか視線を感じていた。
警察や教師に相談して見回りをしてもらったり、友たちと一緒に帰る等対策はした。
だがどこから監視しているのか、わたしが一人になると決まって見られているという感覚が蘇る。

そしてついに、わたしの前にやつが姿を表したのだった。
塾の帰り、いつもは親に送ってもらっていたのに。
今日に限っては親が不在でバスで帰ることにしたのが悔やまれる。

2018/09/11

取扱変更届(4)

翌日。

今日は昨日行けなかった幼稚園へ通うことになっている。
幼稚園の方には事情を伝えてあり、子供たちと混ざってもいいし、見学という立ち位置でいてもらっても構わない、と言われている。
一方で身体に起きる問題(率直に言うとトイレや食事)に関しては管理上の都合で園児たちと同じものを一緒に取ってほしい、とのことだった。
子供たちを預かる上でのルールや条例などがあるらしい。

2018/09/09

取扱変更届(3)

思っていた以上にこの幼児になった身体には負担だったのだろうか。
気がつけば窓から朝日が差し込み始めていた。

夕飯を食べたかどうかの記憶さえおぼろげだ。
身体がキレイになっているのを見るとどうやらお風呂は済んでいる。
…恐る恐るパジャマをめくるが、オムツは濡れていなかった。

2018/09/04

あなたの衣装、交換されてませんか?


普段、あまり話さない絵梨花が声をかけてきた。
絵梨花はニコニコしているが、それがかえって不気味だ。

「ね、そこにいる佐藤くん、今日の姿どう思う?」

どう思うって言われても。
窓際で談笑している彼に視線をやるがいつもどおり変わらない。

「ふーん、そっかそっか。じゃあちょっと手を握って?」

絵梨花が左手を差し出してくる。
一体さっきからなんなんだろう、と思いつつも差し出された左手を握り返す。

「ぽち、ぽちっと。じゃあもう一回佐藤くん、見てみて?」

彼女が何をしたいのか、さっぱりわからない。
言われるがままに再び彼を見る…が。
え…ええ?!
思わず大声を出してしまい、慌てて口を抑える。
一瞬静寂が訪れ、周りからジロジロ見られるが、再び教室は喧騒に包まれる。


2018/09/03

ボツ作:番犬ロボに乗せられた私


油断した。
そう考えたときにはもう遅かった。

わたしはいわゆる産業スパイだ。
ライバル企業のロボット事業に関する情報が欲しい。
ある企業から依頼され、派遣社員として侵入に成功した…と思っていた。
資料に手を触れた途端、部屋に充満する白いガス。
…どうやら予想以上にセキュリティが硬かったようだ。

2018/09/01

9月のBooth作品


2つのお話が入っています。 

1:強制ダイエット (約12000文字)
 OD。肥満気味な子とバレー部の子が入れ替わります。  一応(?)ハッピーエンド。 

2:転生症 (約4200文字)  
 ブログで先に公開している転生症シリーズです。 異世界の種族と身体だけ入れ替わってしまうお話です。


よろしくおねがいたします。 Booth