「えーと、み・ず・を・の・ん・だ・ば・あ・い」
検索サイトで対策を調べてるアキ。
ある程度水は排出されたのだが、身体内部のいたるところで水が残っている感触がわかる。
「うわ、そのままにしておくとカビるって」
うーん、もとに戻るときにそのカビは身体に悪そう。
「水を出すために、まずは逆さまにする…と」
ってうわっ。
アキが私の濡れたパジャマとパンツを脱がした後、両脚をつかみ、ぐっと持ち上げる。
頭を支点として私は倒立したような体勢になる。
(うっ、なにするのよ。もうちょっと丁寧に扱いなさい)
胃や腸に残っていた水が逆流し、口から鼻からポタポタと出てくる。
「あ、ごめん、上のパジャマも濡れちゃいそう…脱がすね」
あっという間にボタンを外され、上半身も裸となる。
真っ裸で倒立させられるなんて考えたこともなかった。
胸のシリコンはそれなりに柔らかいままなのか、重力に従って頭の方へ引っ張られる。
「えっと…このあとは、画像のようなポーズで立たせるのね…うんしょっと」
ベッドから降ろされ、立たされる。
バランスを取れないため、フラフラぐらつく。
「お姉ちゃんしっかり立ってよもう」
無茶言わないで欲しい。
アキはスマホに表示されているポーズになるよう、若干腰を落とした状態で足を開脚させられる。
裸のままあられのない姿を妹に見せつけるように立つ私。
そして私の手を肩の高さで真横に伸ばすと、漢字の大のような体勢となる。
アキは再度スマホを睨む。
「えーと、えっ。こんなことするの。うーん」
アキは引き出しをガサゴソと漁る。
「あったあった」
取り出したのは、フィルムケース。
お父さんがもう使わないから、といって捨てようとしていたのを、イヤリングなどのアクセサリーケースとして使っているやつだ。
アキはケースの蓋を外し、中身を空にすると、器用にケース底に穴を開ける。
何をするつもりなんだろう?
「ごめんね、お姉ちゃん…えいっ」
ズボっという音がした…ような気がした。
(んぐうう!???)
アキが私の後ろの穴にケースを突っ込んだのだと気がつく。
「ごめんね、水が出てくるようにストローみたいなものをさせって…」
(じゃあストローを挿せばいいだろ!!太すぎるわ!!!)
睨みすぎて目が痛い。
もとに戻ったら覚えてろ。
ポタポタとケースを伝って水が出始める。
「タオルをひいてと…これと逆立ちを30分おきに繰り返して水を出すんだって」
(………)
私は目で、自分の口を閉じさせてくれ、と訴えてみる。先程からずっと口を開けて舌を突き出している体勢のままなのだ。
「え…?ああ、口…?空気を通すために開けておくんだって。ごめんねほんとに、反省してるんだよ」
ちょっとしおらしい態度を取るアキ。
まあ、不慮の事故なのは間違いないし、頑張って対処してくれたわけだし…
「あ、お母さんがご飯って呼んでる!行ってくるね!」
…許そうと思ったがやめた。
鏡を見るとそこには情けない格好をして、お尻に筒を挿して水をポタポタ垂らしつづける私が、無表情のまま立ち続けていた。
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